国内

2023.05.10 18:45

骨折リスク軽減の床「ころやわ」 2.3億円調達でAI活用にも乗り出し

提供=Magic Shields

転んだ時だけ柔らかくなり、骨折のリスクを軽減する床。そんな画期的な商品「ころやわ」を販売するのが、Magic Shields(マジック シールズ)だ。高齢者の、転倒による骨折を減らすために開発され、これまで560以上の病院や施設で利用されてきた。重篤な骨折の件数はゼロだという。

「歩行安定性」と「衝撃吸収性」を両立させ、普段は硬く、車いすや杖も使用でき、転んだ時に床面が凹む。



同社はAIを活用した新商品の開発にも乗り出した。5月10日に、Carbide Venturesとディープコアから2.3億円の調達を行ったと発表。ころやわにセンサーを搭載し、転倒の有無などを知らせてくれる「AI見守り」ができるようにしていくという。

Magic Shieldsは2019年に創業。創業者でCEOの下村明司(しもむら・ひろし)氏は、もともとヤマハ発動機で、レースバイクの衝撃吸収について研究してきた。そこでの知見を活かし、ころやわを開発した。

下村氏は今後の展開について次のように話す。

「国内では、病院や介護施設での利用に加えて、個人の在宅利用も増やしていきたい。海外展開も進めていて、欧米の大学病院などと話を進めています。今年は実証実験をやり、来年には販売したい。

転倒って『とにかく気をつけよう』という精神論になりがちなので、ちゃんと対策できるんだということを知って欲しいです」

日本では骨折による年間の医療費・介護費が2兆円、アメリカでは7兆円にのぼるとされ、ころやわによる社会保障費削減も期待される。

文=露原直人

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