しかし、医療の進化により私たちは100年生きることができるようになりました。さらにいえば、これからは、健康なまま100年を生きることができる時代になるかもしれません。
2019年にWHO(世界保健機構)が公表したICD-11という国際疾病分類の第11回改訂版にも、明確に“老化”の概念が盛り込まれています。それは老化が抗えないものではなく、人類が克服すべき治療対象の疾患と定められているということの表れです。
その実現に向けて、さまざまなライフサイエンスの研究が進められています。細胞の再活性化に注目した研究が進むことにより、体も心も人とのつながりを人生最後の時まで保つことが出来る、真の意味でのウェルビーイングな一生が実現できる日もそんなに先ではないと言われています。
そのときには、必ずしも特別な機能性食品やサプリメントを必要としないのでしょう。栄養バランスのとれた食事で、ウェルビーイングが実現できているブルーゾーンの存在が最大のエビデンスです。
そのファクトこそが、これからの食と健康が向かう新たな方向性を示唆しているのではないかと私は考えています。