これらの懸念すべき発見を受けて開発されたVehicle Privacy Reportは、自動車メーカーの公開文書に基づいてデータ収集・共有・販売の慣行をまとめた「Vehicle Privacy Label」と、顧客のプライバシー保護のために各社がこれまでに取った対応を一覧化した「Vehicle Privacy History」で構成されている。
レポートの作成は無料で、簡単だ。vehicleprivacyreport.comにアクセスし、検索バーにVINを入力すれば、IDや生体認証データ、位置情報、同期された携帯電話のデータ、ユーザー情報など、メーカーが開示している個人情報収集の概要をすぐに入手できる。
また、収集した個人情報の共有先・販売先についても、サービスプロバイダー、保険会社、政府機関、データブローカーなど、メーカーの開示状況を確認できる。車両に蓄積された個人情報の削除記録や、メーカーの公表資料、プライバシーポリシーや規約に一般消費者が目を通すのにかかる時間と必要な教育レベルも提供される。
自動車販売店はこのツールを販売サイトに組み込むことで、車両ごとに各社のデータ慣行を公平に伝えることが可能になる。「プライバシーを重視する」ディーラーは、車両詳細ページにVINに紐付いた情報と認証を自動表示できるようになり、消費者の信頼向上や不公正または欺瞞的な慣行に絡んだ告発リスクの低減などが見込める。
「プライバシーは新しい安全の概念だ」とアミコは述べた。「Vehicle Privacy Reportが、プライバシーを消費者にとって具体的で価値のあるものとし、透明性のある情報開示を通じて市場の歪みを防ぎ、企業が自動車の製造・販売・購入・レンタル・融資・金融・保険にかかる慣行を改善して競合他社との差別化を図る動機付けとなることを願う。この新ツールは、急速にデジタル化する自動車業界にとって正しい方向への動きだと確信している」
(forbes.com 原文)