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2023.05.11 16:30

大きなビジネスチャンス。米国食料品小売市場で成功するための5つの戦略

Coresight Researchが2021年11月に実施した、ファーストパーティデータをマーケティングに活用している米国の経営者を対象とした調査によると、ファーストパーティデータを活用するメリットとして、全体の半数以上が「オンライン売上の向上」を挙げています(図3参照)。

また、売上向上を最大のメリットとする一方で、プロモーションなどのターゲット情報を共有し、ブランド認知を高めることで、よりロイヤリティの高い顧客層から高いコンバージョン率や平均購入額の増加を図ることができるとしています。

図3. ファーストパーティデータ活用のメリット(回答者の割合)
(図内の訳、コメント「ファーストパーティデータを通じて独自の顧客分析を行うことで売上向上を図ることができる」
選択肢上から「オンライン売上の向上」「適切な情報を、適切なタイミングで、適切な媒体で提供する」「ブランド認知度の向上」「インパクトのあるクリエイティブなコンテンツの提供」「見込み客の駆動、測定、適格化」「消費者需要予測」「メリットはない」)
対象:ファーストパーティデータをマーケティング目的で使用しているオムニチャネル運営をしている小売企業の米国在住の経営者142名
出典:Coresight Research

小売企業は、サードパーティ配送アプリのロイヤルティプログラム(詳細は次章)を通じて、一部のデータを収集することはできますが、アクセスが限られているため、消費者の全体像を把握することはできません。

一方、サードパーティ企業は、消費者が何を検索し、カートに追加し、商品を何回カートに追加したか、カートには入れたが購入しなかったもの、などの情報を収集することができます。

このような消費者に関するインサイトを持つ配送企業は、実店舗を運営する小売企業と直接競合する立場にあり、買い物客の行動に関する幅広い情報と、購入や配送のプロセスをパーソナライズすることができます。

実際、DoorDashと英国を拠点とする食品・生鮮品の配送企業Deliverooは、それぞれ2020年8月と2022年10月に実店舗の食料品店をオープンさせています。

こうしたクイックコマース市場の拡大により、膨大な量の消費者データがサードパーティの配送企業に提供されるようになり、小売企業はパートナーシップとファーストパーティデータの独自ソースの確立の間で適切なバランスを見つけることが必要になってきています。

4. ファーストパーティデータの活用によるロイヤルティプログラムの最適化とパーソナライゼーションの推進

長期的な顧客維持を成功させるためには、ブランドや小売企業はシームレスでパーソナライズされたショッピング体験を提供することが必要です。しかし、ブランドや小売企業が提供できているパーソナライゼーションに対する自社の認識と、それらを受け取る消費者の認識との間にはギャップがあります。
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文=RxR Innovation Initiative

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