「NASAがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が作った科学的動機の1つは、最も初期の銀河を研究することであり、そのためこの宇宙望遠鏡は130億年近く前に発せられた最も遠いクエーサーの光さえも検出できるのです」とハートフォードシャー大学のポスドク研究員ジョニー・ピアス博士はいう。「クエーサーは、私たちが宇宙の歴史を理解する上で重要な役割を担っており、天の川の未来を理解するための鍵になる可能性もあります」
私たちの天の川銀河は、必然的に40億年以内に近くに存在するアンドロメダ銀河と衝突するが、その際、結果としてクエーサーが誕生する可能性が高い。
「クエーサーは宇宙で最も極端な現象であり、私たちが見ているものは、およそ50億年以内に天の川銀河がアンドロメダ銀河と衝突する未来を表していると思われます」とシェフィールド大学物理学・天文学部のクライヴ・タドハンター教授はいう。「これらの現象を観察し、何故それらが起きるのかを理解できるであろうことに興奮しています。幸いなことに、地球がそのような世界滅亡の危機を迎えることは当分の間なさそうです」
宇宙の時間には、ありがたいことに私たちの味方だ。少なくとも今は。天の川銀河とアンドロメダ銀河が最終的に衝突した際、星同士は衝突しないだろうが、私たちの太陽が銀河間空間に放り出される可能性はある。しかし、その頃の太陽は、核燃料である水素を使い果たし、膨張して赤色巨星となり地球やその他すべての地球型惑星を呑み込んでいるだろう。
私たちのクエーサーが誕生するところを見る人は誰もいない。それはおそらく最善のことなのだろう。
(forbes.com 原文)