リーダーがエネルギーを持続していくうえで、もう1つ非常に重要な点は、どこまでが自分のやるべきことなのかについて明確な境界線を引き、燃え尽き(バーンアウト)を避けることだ。成功したリーダーは、チームを信頼して業務を任せるタイミングを心得ていて、そうすることで自分は戦略的な意思決定や最も重要な責務に集中できるようにしている。こうした権限移譲(デレゲーション)によって、リーダーの仕事量はよりバランスのとれたものになり、仕事を任せられたチームメンバーは力づけられ(エンパワーメントされ)、チーム全体の達成感や成功に向けた意欲も高まることになる。
このほか、メンターシップやネットワークづくりも、リーダーのエネルギーを高めるのにとても重要な役割を果たす。同じような志をもつプロフェッショナルたちと有意義なつながりをつくると、それは自分を支えてくれるネットワークとなり、助言や励ましをもらったり、さまざまな見方を教えてもらえたりするだろう。同業者たちと交流し、経験を共有し、相手の見識に学ぶことで、リーダーは自己成長を遂げ、ますますエネルギーが湧き、リーダーシップへの情熱もいっそう強まることになる。
リーダーが高いエネルギーを生み、保っていくには、多面的なアプローチが必要だ。ポージティビティを実践する。1人1人の人を尊重する。自分のウェルビーイングを大切にする。ポジティブな職場環境を整える。ずっと学び続ける。境界線を明確にする。メンターをもったり、ネットワークをつくったりする。こうしたさまざまな努力によって、リーダーは周囲を鼓舞して組織を前進させていくためのエネルギーを維持できる。
機敏な適応力と揺るぎない決意が求められる世界でリーダーが成功するには、自分のエネルギーを養うことが欠かせない。そうすることで、より充実し、活力に満ちた職業人生を歩んでいくことができるだろう。
(forbes.com 原文)