Androidデバイスの進化をPixelシリーズが牽引
グーグルはPixelシリーズの中でもベーシックラインであるAシリーズの販売が現在とりわけ日本で好調だと説明している。Pixel 4a以降のAシリーズは従来8月よりも後の時期に発売してきたが、今回グーグルはPixel 7aの発売を少し前に倒して、国内通信キャリアの春夏モデルの展開と合わせてきた。auとソフトバンクのほか、NTTドコモが久しぶりにPixelシリーズを取り扱う。Pixel 7aはコストパフォーマンスが良く、シンプルに使える端末を期待するユーザーに応えながら、1年を通じて長く売れるスマホになりそうだ。今年は折りたたみスマホやPixelシリーズ初のタブレットも加わり、グーグルのモバイルデバイスのラインナップに厚みが増す。Google I/Oでの発表からも、ついにグーグルがPixelシリーズ全体の存在感を高めながら、アップルのiPhoneのシェアを本気で奪いにきた意気込みが伝わってくる。
一方でAndroid OSを採用するパートナーのデバイスとPixelシリーズが良い形の競合関係を保ちながら、Androidスマホ全体のステージアップを図れるのかも気になるところだ。グーグル純正の「レコーダー」アプリが実現している音声の「自動文字起こし」のように、今まではPixelシリーズのユーザーに限り提供してきた最先端のAI体験をAndroidの標準機能としてもいい。「AIに強いAndroidスマホ」の印象を強く打ち出せる好機がきていると思う。これからは今まで以上にグーグルのPixelシリーズが、Android OSを採用するモバイルデバイスの進化を先頭に立って牽引することを期待されているのではないか。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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