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2023.05.11 07:30

グーグルの「本気」がわかる低価格スマホ、Pixel 7aハンズオン

アップルはiPhone 14シリーズでコンパクト機の「mini」を商品化しなかった。iPhone SEシリーズにも大型化のウワサがある。グーグルのPixelスマートフォンも最小サイズが6インチ台からになってしまったので、今後は大画面スマホの「薄型化・軽量化」が進み、ハンドリング性能の良いスマホが増えることも期待したい。

特筆すべき「カメラの進化」

Pixel 7aは高性能な広角・超広角のデュアルレンズカメラを搭載した。広角カメラは64メガピクセルのクアッドベイヤー構造を持つイメージセンサーと機械学習によるデジタル画像処理をかけ合わせて、最大8倍の超解像ズームを実現した。遠くの景色をPixel 7aとPixel 6aで撮り比べると、ディティールの情報量は新機種の方が豊富であることがよくわかる。

左がPixel 7aの最大8倍超解像ズームで撮影した写真。右Pixel 6aの写真に比べると奥行き方向のディティールが立体的に再現されている

左がPixel 7aの最大8倍超解像ズームで撮影した写真。右Pixel 6aの写真に比べると奥行き方向のディティールが立体的に再現されている


Pixel 7aには、ベーシックなAシリーズとして初めて「長時間露光」の撮影モードが加わった。動いている被写体にフォーカスを合わせてシャッターを切り、ソフトウェアによる後処理をかけてクリエイティブな「ぼかし効果」を追加する機能だ。躍動感のある写真撮影が楽しめる。

カメラの基本性能や、グーグルが得意とするAIによる機械学習処理を加える機能についてはPixel 7aがPixel 7と同等のレベルに到達している。2023年5月時点で、GoogleストアではPixel 7を税込7万4500円で販売している。Pixel 7aとの価格差は1万1800円。

6.3インチのPixel 7(左側)と6.1インチのPixel 7a(右側)6.3インチのPixel 7(左側)と6.1インチのPixel 7a(右側)

Pixel 7aにはPixel 7と同じ、ディスプレイのチラつきを抑える「スムーズディスプレイ」や急速ワイヤレス充電、顔認証機能なども新たに搭載されたので、より安価なPixel 7aを選んでも体験に遜色はないだろう。

より高度な写真や動画の撮影性能にこだわるのであれば、望遠カメラによる最大30倍の超解像ズームやマクロフォーカスも使える10万円台のPixel 7 Proに手を伸ばすべきだ。
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編集=安井克至

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