国境なき記者団の英支局長フィオナ・オブライエンは、イラン政府が採用した戦術には、逮捕や身体的・心理的・性的な脅迫のほか、家族に対する嫌がらせや資産凍結、検閲、インターネット監視などが含まれると指摘する。「使用される戦術は実に幅広く、かなり洗練されており、極めて邪悪なものだ。9月以降、マフサ・アミニの死や抗議行動による混乱から、弾圧が再び強まっている」
イラン・インターナショナルのマクミランによると、同局は警視庁と協議した上で、ロンドンからの放送を再開することを決めたが、別の場所に新たな放送局を設置することになるという。「チズウィック・パークからは二度と放送しない。ロンドンで新たな放送局の再建と要塞化を進めている。警察と連携し、一定の対策を講じれば、再び放送が可能になるという評価を得ている」
テロリズムの議論
今回の動きは、英政府がIRGCをテロ組織として位置付けるべきかという議論が行われている中で起きている。125人ほどから成る英議員団は最近、リシ・スナク首相、ジェームズ・クレバリー外相、スエラ・ブレイバマン内相に、IRGCをテロ組織認定するよう促す書簡に署名した。書簡は、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラのテロ組織の活動を禁じた英政府の決定は、過激主義とテロの脅威に対抗するための重要な一歩だったが「英国はこれにとどまっている余裕はない」と指摘。「結局のところ、IRGCはこれらの危険なグループの主要な資金提供者で供給者でもあり、訓練者だ。親組織の追跡は、政府に課せられた責務だ」と記されている。イラン系英国人活動家バヒド・ベヘシュチは、IRGCの活動を禁止するよう政府に働きかけるため、2月下旬から英外務省の外でハンガーストライキを続けている。だが、これまでのところ、英政府はそうした圧力に抵抗している。
(forbes.com 原文)