同局は2月、英ロンドン警視庁からの助言を受け、市内西部チズウィックにある放送局からの放送を突然停止した。これに先立ち、ロンドン警視庁は同局とその記者に対する脅迫に対処するため、放送局の外に武装した警備員を配置していた。
これを受け、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の最高司令官ホセイン・サラミ少将は、イラン・インターナショナルの閉鎖は「イスラム革命の力の領域、浸透の場、影響力の半径がどれだけ広がったか」を示すものだと述べた。
ロンドン中心部の国会議事堂で先月19日に行われたイベントで、イラン・インターナショナルのセキュリティ担当ディレクターを務めるロジャー・マクミランは「私たちは戻ってくる」「夏までには(ロンドンから)放送する予定だ」と宣言した。
圧力を受ける報道機関
イラン・インターナショナルに対する脅迫は、国内外で独立系メディアを標的にするイラン政府による取り組みの一環だ。ロンドンに拠点を置く出版社ケイハン・ロンドンのナゼニン・アンサリ編集長は「イランでは出版できない。さまざまな形の脅威にさらされながらも、私たちは歩み続けてきた」という。その上で、現政権の「レッドライン」は、情報の統制と独占を維持することだと指摘した。
英BBCのペルシャ語放送も脅迫を受けている。先述のイベントに出席したBBC幹部は、記者に対する安全上の脅威が高まっているとロンドン警視庁から助言されたと証言。英国にいるBBCペルシャ語放送の職員だけでなく、イランにいるその親族にまで嫌がらせが広がっていると説明した。