テクノロジー

2023.05.07 11:00

TikTok親会社バイトダンスが広げる情報監視体制、ウイグルからトランプまで

Editorial credit: Boumen Japet / Shutterstock.com

フォーブスが調べたところ、リスト名に「TikTok」や「米国」が含まれているリストが50件あまりあった。また、TikTokの従業員が2022年にこのツールにアクセスしていたことも社内文書で確認された。ほかのリストには抖音、オフィスツール「Lark」、ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」、音楽配信サービス「Resso(レッソ)」など、バイトダンスのほかの製品の名称が明示されているものもあった。
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TikTokの報道担当者ジェイミー・ファバザは、フォーブスが入手した広範な文書は「著しく古いか不完全」である可能性があるとし、フォーブスが確認した語彙リストについては、どれもTikTokでは現在使われておらず、過去に使われたこともいっさいないと主張した。TikTokで過去に一度も使われていないのなら、どうしてリスト名に「TikTok」や「米国」とあるのかと追及すると、フォーブス側から文書を提示されていないので「リスト名についての臆測はできない」と答えた。

ファバザは「TikTokと抖音は異なる市場の異なるアプリであり、コンテンツポリシーとソースコードも違う。キーワードのプラットフォームやリストも別々のものを用いており、それぞれ別のチームによって管理されている」と説明した。ファバザによれば、バイトダンスとTikTokのセンシティブなキーワードに関するシステムは最近まで同一の名称だったものの、システム自体は2019年に分割され、以来、TikTok版のツールは別個に運営されてきたという。

フォーブスはバイトダンスに、これらの語彙リストは抖音や同社のほかのアプリ、たとえば米国で爆発的な人気になっている「Lemon8(レモンエイト)」や「CapCut(キャップカット)」などにも適用されているのか尋ねたが、回答はなかった。また「トランプに向けられた禁止用語」「ウイグル人・漢民族カップルの主題化戦略」「中国の戦略政策に関する主題戦略」といったリスト名が何を意味するのかや、これらのリストを誰が作成し、どのように運用されているのかについても重ねて質問したが、バイトダンスは答えなかった。
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バイトダンスの広報担当者ジェニファー・バンクスは、抖音を含む中国国内向けプラットフォームのコンテンツモデレーションにかかわる業務は、抖音を運営する北京抖音信息服務(Douyin Information Service)の子会社である北京吉雲互動科技が担当しているということ以上は明らかにしなかった。ファハザと同様に、中国のみのプラットフォームのモデレーションを担当するチームと、中国以外のプラットフォームのモデレーションを担当するチームは別々に分けられており、雇用している企業やモデレーションのツールも異なると説明している。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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