2023.05.07 11:30

トヨタは本気で電気自動車を優先させるのか?


クリーンエネルギー革新・導入担当の大統領上級顧問であるポデスタは、これまでにもトヨタ・リサーチ・インスティチュートのギル・プラットCEO、トヨタ・ノースアメリカのクリストファー・レイノルズ最高管理責任者と会談している。

トヨタとその高級ブランドであるレクサスが世界市場で販売しているEVモデルは、SUVの「bZ4X」、中国限定のセダン「bZ3」、レクサス「UX300e」のわずか3車種で、昨年のEV販売台数は世界で2万5000台未満だった。

現行のbZ4X

現行のbZ4X



しかし、トヨタは世界最大の自動車メーカーなので、生産能力をしっかり持っていることを忘れてはならない。先月発表された新計画の一環として、トヨタは「2025年に米国でデビューする新しい3列シート付きSUVのEVを米国で製造する」と発表した。名前が未発表のこのモデルは、ノースカロライナ州のバッテリーを使用して現地で組み立てられる予定だ。

このようにこれからは、トヨタはEV製造を優先させるようだ。ところが、3月末にEUでトヨタなどのカーメーカーが驚く重要な発表があった。その内容は「2035年にCO2を排出する新車の販売を終了する」という欧州連合の画期的な法律から、「eフューエル(合成燃料)で走る車が除外される」ということ。これを日本のカーメーカーは歓迎した。トヨタの幹部は、この免除について「確実に日本を助けることになる」と述べた。

規制と戦略の中でトヨタのEVのこれからに注目が集まる

規制と戦略の中でトヨタのEVのこれからに注目が集まる



また、電気自動車用のバッテリーに必要なレアアースの供給が不安定であることや、国家経済の安全保障に関わるリスクを考えると、電気自動車への完全移行は非現実的であると、関係者は付け加えた。ドイツとイタリアは、ハイブリッド車を含む内燃機関自動車を生産する業界の雇用を守るために、この免除が必要であると主張した。

トヨタの関係者は、今回の免除は内燃機関自動車の存続にとって重要なステップであると述べた。ただし、この発表があったとはいえ、EUのEV推進に変わりはないので、トヨタなどはハイブリッドやPHEVを作り続けると同時に、とにかく安いEVを作るために努力しなければならない。

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