北米

2023.05.06

「英国王の戴冠式・チャールズ3世・君主制」米国人はこう見る

英国王チャールズ3世。2023年4月14日、英サンドハースト王立陸軍士官学校の第200回卒業式にて(Dan Kitwood/Getty Images)

1953年、米調査会社Gallup Organization(ギャラップ・オーガニゼーション)が英女王エリザベス2世の戴冠式に関心があるか米国人に尋ねたところ「ある」と答えたのは38%で「ない」との回答が62%を占めた。一方、新女王について語るときに米国人が用いた形容詞は、ほぼすべてが肯定的だった。中立的な意見は2%のみで、7%が女王の執務室は税金の無駄遣いだと主張したり、英国人全般を見下した発言をしたりした。女王はその後、四半世紀にわたって米世論調査で高評価を維持した。「米国人が最も尊敬する世界の女性」トップ10にエリザベス女王よりも多くランクインした女性はいない(1948~2020年にギャラップが行った調査71回中、52回)。

2022年9月に女王が死去した後も、賞賛の声は変わらなかった。死の直後に英経済誌Economist(エコノミスト)と調査会社YouGov(ユーガブ)が米国で実施した調査では、全年齢層で、女王の功績は「傑出している」または「平均以上」として歴史に残るだろうとの回答が過半数に上った。YouGovAmerica(ユーガブアメリカ)の世論調査では64%が、米国政府が女王に敬意を表して半旗を掲げるのは適切だとの考えを示した。君主制の儀式的な側面に関する多くの質問において、回答には大きな男女差が見られる。最近のギャラップの調査によると、戴冠式に関心を示した男性は24%で、女性は53%だった。

では、国王チャールズ3世に対する米国世論の評価はどうか。スリム化された戴冠式の計画や君主制の維持について、米国人はどのように考えているのだろうか。2022年12月にエコノミストとユーガブが行った調査では、米国人の43%がチャールズ国王に好意的だったが、37%は非好意的だった。好意的な見解は、高齢者ほど多かった。また、国王よりもウィリアム皇太子(61%)とキャサリン妃(59%)のほうが人気が高く、アン王女(53%)、ヘンリー王子(54%)、メーガン妃(49%)と続いた。なお、英国内ではヘンリー王子、メーガン妃、アンドルー王子の人気が最も低く、メーガン妃が戴冠式を欠席するのも無理はないだろう。チャールズ国王の戴冠式についてのユーガブの調査結果は、1953年のギャラップの調査と同様だった。米国人の55%が、戴冠式を見るつもりはないと答えた。
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編集=荻原藤緒

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