十分な睡眠や安らかな眠りの不足は、仕事の生産性を低下させることが証明されている。実際、5カ国の経済を調査したところ、従業員の睡眠不足が原因で、毎年6800億ドル(約92兆円)もの損失が発生していることがわかった。
また、米国では、睡眠不足によって企業に4330億ドル(約58兆円)もの損失を与えている。
これらは「スリープテック」市場が急成長している理由のほんの一部に過ぎない。Graphical Research(グラフィカル・リサーチ)がまとめた業界レポートによると、北米のスリープテック市場は2027年までに170億ドル(約2兆3000万円)を超えると予想されている。
しかし、この成長は新興企業や消費者直結型企業だけにとどまらない。例えば、TEMPUR-Pedic(テンピュール)のようなレガシーブランドも、製品ラインに組み込まれたスリープテック・イノベーションを導入している。
TEMPUR-Pedicの副社長であるジル・ジョンソンは、この問題に取り組む鍵は、人々がよく眠れない理由となる多くの変数を研究することだと述べている。
では、その方法とはどのようなものなのか? TEMPUR-Pedicの「Sleeptracker AI(スリープトラッカーAI)」のような睡眠トラッキングアプリは、心拍数、動き、呼吸数などの指標を通してユーザーの睡眠の質を確認することができるため、睡眠技術のイノベーションの開発には欠かせない存在だ。
このようなユーザーデータはすべて、彼らスリープテックのイノベーターに、安眠を妨げる主な障害についての洞察を提供するのに役立っている。