プロゴルファーのフィル・ミケルソンとダスティン・ジョンソンも昨年、米PGAツアーを離脱して、サウジ政府が支援するLIV(リブ)ゴルフに参戦し、巨額の報酬を受け取った。リオネル・メッシは今のところパリ・サンジェルマン(PSG)にとどまっている一方で、数百万ドル(数億円)規模の契約でサウジの観光大使に就任した。そしてもちろん、キリアン・エムバペも所属するPSGは、カタールの政府系ファンドであるカタール・スポーツ・インベストメンツが保有するチームだ。
各リーグの放映権をめぐる契約料の高騰や、スポーツ以外での収入機会の増加により、スポーツ選手の収入は近年、上昇が続いてきたが、中東マネーはまさに、その火に油を注いでいる。世界で最も稼ぐスポーツ選手10人が過去1年間で得た収入の合計は、昨年の9億9000万ドルから12%増、2018年に記録した過去最高額の10億6000万ドルから5%増となる11億1000万ドル(約1520億円)に達した。
2018年の額が高かったのは、ボクシングのフロイド・メイウェザー・ジュニアの年収が他を大きく引き離す2億8500万ドル(33年間続くフォーブスのランキング史上、スポーツ選手としては歴代2位の額だ)に達したからだった。だが2023年は、トップ10の全員が巨額を稼いでいる。
首位に立ったロナウドの年収は、競技での年俸やボーナスが4600万ドル、スポンサー契約や出演料、ランセンス料などからの収入が9000万ドルの計1億3600万ドル(約186億円)となった。エムバペは24歳にして1億2000万ドルを稼ぎ3位、ジョンソンは1億700万ドルを稼ぎ6位と、いずれも驚くべき額で初のトップ10入りを果たした。
この3人を含め、過去12カ月の収入が1億ドルを超えた選手は計8人で、昨年から倍増した。ロナウド、メッシ(推定年収1億3000万ドル)、レブロン・ジェームズ(同1億600万ドル)の3人は過去に年収が1億ドルに達したことがあるが、残るエムバペ、ジョンソン、ボクシングのカネロ・アルバレス(同1億1000万ドル)、ミケルソン(同1億600万ドル)、NBAのステフィン・カリー(同1億40万ドル)の5人は、初の年収1億ドル超えとなった。
以下は、今年の「最も稼ぐスポーツ選手10人」。金額は税金やエージェント料を差し引く前の年収だ。
1位 クリスティアーノ・ロナウド/1億3600万ドル(うち競技外での収入は9000万ドル)
2位 リオネル・メッシ/1億3000万ドル(同6500万ドル)
3位 キリアン・エムバペ/1億2000万ドル(同2000万ドル)
4位 レブロン・ジェームズ/1億1950万ドル(同7500万ドル)
5位 カネロ・アルバレス/1億1000万ドル(同1000万ドル)
6位 ダスティン・ジョンソン/1億700万ドル(同500万ドル)
7位 フィル・ミケルソン/1億600万ドル(同200万ドル)
8位 ステフィン・カリー/1億40万ドル(同5200万ドル)
9位 ロジャー・フェデラー/9510万ドル(同9500万ドル)
10位 ケビン・デュラント/8910万ドル(同4500万ドル)
(forbes.com 原文)