事業継承

2023.05.10

家業に戻ったら仕事がなかった。富山のランドセルメーカー3代目の奮闘

「ハシモト」代表の橋本昌樹

ニーズとしては、近年ジェンダーフリーなデザインにも注目が集まっていますが、今年は新しい動きがありました。これまではピンクやオレンジといった色は、“かわいい”イメージの商品に使われがちでしたが、お子さまから「かっこいいピンク、オレンジが欲しい」という声があったんです。

そこで、黒地にアクセントカラーの組み合わせがかっこいい個性派ランドセル「ストリートファイン」を開発しました。子どもは色に対するイメージや感じ方も変化しているんですね。

「ストリートファイン 安ピカッ /楽ッション」(税込6万9850円、7色)

——今後の展望について聞かせてください。

新しい柱となる事業を立ち上げて拡大させ、ランドセル事業を縮小させることなく全体の3分の1の割合になるようにしたいと考えています。



また、世界を見れば子どもはたくさんいるので、海外進出も考えています。ランドセルをそのまま海外に持って行くのは日本文化の押し売りになってしまうので、だからハシモトの技術力で、その地域にとって一番の通学カバンをつくっていけたら面白いんじゃないかなと思っています。

世界に向けては、6年間修理をしながら使い続けるランドセルのサステナブルな側面もアピールしていきたいです。企業としても、昨年12月1日からはランドセル工場で使用する電気をすべて再生可能エネルギー電源由来に切り替えるなど取り組みを進めています。今年からは使い終わったランドセルのリメイク事業も始める予定です。

ハシモトのものづくりを通じて「ものを大切に使う心」を世界に広げていけたらいいなと思います。

文=久野照美 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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