通性嫌気性菌はメタンメーカーをヒーローにする最も一般的な方法
前向きな「ストーリー展開」は、大気に拡散する前にメタンを捕獲してメタンメーカーを気象のヒーローに配役替えすることで実現する。今これらの細菌の役割は、人間の排泄物を再生可能な天然ガス(RNG)と呼ばれるクリーンエネルギー資源に変えることだ。すべてのメタンは炭素原子1つに水素原子4つが結合した同じ単純な化学物質だが、RNGを用いて生成されたエネルギーは化石燃料の必要量を減らし、燃やした場合に「クライメートニュートラル(気候中立)」に分類される。これは排出される二酸化炭素が植物によって最近大気から捕獲されたものであり、温室効果ガスの平衡に加えられることなく大気に戻されるためだ。RNGは化石燃料需要の一部を置き換え、一定して入手できるという優位性によって風力、ソーラーなどの再生可能エネルギーを補完する。では「バイオガス」すなわちRNGを作るヒーローに再配役されるこのメタン生成菌はいったいどこにあるのか? 最も確立されているのが「嫌気性消化装置」、酪農業の堆肥や処品処理工場の廃棄物を扱う巨大なタンクだ。これらの消化装置は大きな資本を必要とし、容易に操業できるものではないため、大型施設でよく見られる。その制約を回避する方法の1つが協同組合で、メイン州のFlood Brothers Farmに設置された消化装置は、Cabot Creameryなど6つの乳製品供給協同組合の堆肥を処理している。
バイオガスは、埋立地から収集することもできる。消化装置から出るメタンの利用方法に応じて、ある種のイオウ化合物やその他の揮発性物質の除去に必要な手順が変わってくる。バイオガス製造が始まってからしばらく経った現在、メタンメーカーをヒーロー役に据える施設に対する新たな投資の波が起こりつつある。
その一例が、Opal Fuelsという企業で、埋立地用に嫌気性消化装置とメタン捕獲システムの両方を開発している。設置場所に応じて、メタンを使って現地で発電したり、天然ガスを使用するトラックや機器のための燃料を生産している。その経済性はかなり魅力的で、それは第三者機関による再生可能天然ガス認証を受けることで、再生可能燃料基準に従って化石燃料精製業者に対して支払われるRIN(再生可能燃料識別番号)クレジットの対象になるからだ。
別の例が投資グループのQuinbrook Infrastructure Partnersだ。彼らは埋立地のメタン捕獲システムに25年間投資してきた。投資先は主としてオーストラリアと英国で、そこでは埋立地のライナー(底部)とキャップ(上部)に対する規制が定められ、実質的に埋立地を嫌気性消化装置にさせている。これはカリフォルニア州と米国北東部でも普及し始めている。