2022年8月に、26歳Forbes「30UNDER30 JAPAN」を受賞したファッションデザイナーの岡﨑龍之祐は、当時のインタビューで若者に向けてそう語っていた。
その言葉通り、岡﨑自身も手を動かして作品をつくり続けてきた。
4月15日から代官山で開催中の個展「002」では、縄文土器に着想を得た唯一無二なデザインのドレス「JOMONJOMON」シリーズの新作に加え、木材を用いた彫刻作品「PIMT」を初披露している。 本記事では、今後ますます大舞台での活躍が期待される岡﨑の「これから」に迫る。
前回記事>>「リュウノスケオカザキ」の岡﨑龍之祐が 初披露の彫刻作品にこめた思い
「手の経験」を増やすことで作品が進化する
「今回、ドレス以外に彫刻作品をつくってみようと思ったのも、ドレスをつくり続けた結果だと思う」そう話す岡﨑は、コロナ禍でたくさんのドレス作品をつくり続けてきたことが、今につながっているという。
「作品をつくり続けることで、まず『手の経験』が増えます。それだけでなく、自分の作品を公開し世の中に広まっていくことで、(作品が)僕をいろんなところへ連れていってくれるという感覚も生まれました。自分を俯瞰して見られるようになったんです。それによって新しいことにも挑戦できるようになりました」
「002」で展示している「JOMONJOMON」の新作ドレスも、“手の経験”が生かされている。「PIMT」で木材をつかった彫刻制作を経験した岡﨑の手は、より繊細で複雑なドレスを生み出した。
ファブリックでつくられたドレス「JOMONJOMON」/ RYUNOSUKEOKAZAKI
こうしてつくり続けることで、生まれてくる作品がどんどん進化していくことを岡﨑は「喜びであり、発見だ」と話す。
「試して、試して、試して、作品として完成することもあれば、しないこともある。その繰り返しです。でも、完成しないものがあってこそ公開している作品が生まれるわけです。僕自身が“つくり続ける”という行為を通じてしか得られない、新しい発見をずっと探している感じです」