音楽

2023.04.30

尊いアイドル キンプリは「辞めジャニ」のその後を変えるか?

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5月22日をもって5人での活動を終了、デュオユニットに生まれ変わることが発表されている人気アイドルグループ「King & Prince(キンプリ)」が今、女子の心を奪っています。
 
2022年11月にリリースされた「ツキヨミ」は、公式YouTubeチャンネルにてジャニーズ事務所所属タレント初のMV1億回再生を突破。DVD・BD初週売上の合計は4作連続20万枚超え、と史上初の快挙を成し遂げています。
 
キンプリの熱狂的なファンは「ティアラ」と呼ばれますが、MV1億回再生を実現させたのは、「彼らを喜ばせたい」というティアラの結束力ゆえとも言われています。なぜそこまでファンのエンゲージメントが高いのか。この記事では、その理由を2つのキーワードから考察してみます。
 
まず1つ目のキーワードは「尊さ」。近年、人に推したいと思うほど好きで応援している人物・存在を指す「推し」という言葉が生まれ、「推し」を表現する際に「尊い」という言葉が最上級の誉め言葉として用いられるようになりました。
 
「尊い」とは、広義では、存在がありがたいということ。それはキンプリがそのグループ名のとおり、ときに王様のように力強く、ときに王子様のように甘やかでもある、その魅力ゆえでしょう。
 
例えば、世界的ダンサー・RIEHATA氏が手がけ、“ジャニーズ事務所史上最高難度”とも言われるダンスをこなす表現力はまさにキング的。そして、デビュー曲「シンデレラガール」で、ゴージャスな王子様の服に身を包み、王道のアイドルソングを披露する姿はプリンス的です。加えて、バラエティで見せる天然さが母性をくすぐっているとも考えられます。
 
その「尊さ」により、「箱推し」が多いのも彼らの特徴です。箱推しとは、特定の1人だけでなくグループ全体を応援すること。パフォーマンス中のメンバー間のアイコンタクトや、ふとした瞬間のやりとりなど、その親密な関係性が垣間見えるたびにファンはさらに深みにハマっていきます。
 
221万人のフォロワー数を誇るインスタグラムを筆頭に、SNSでオフシーンも覗ける機会が増えた昨今、グループの仲の良さはよりダイレクトに伝わります。グループ全員でこれからも仲良く楽しく活動を続けてほしいと思わせる点が、また人気に拍車をかけているようです。
次ページ > 2つ目のキーワードは、「ピークでの悲劇」

文=山田 茜

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