現在NBAプレーオフが行われていますが、今シーズンは1回戦で例年よりも下位シードが上位シードを倒すアップセットが多く起きる波乱の展開ですね。特に8位のマイアミヒートが1位のミルウォーキーバックスを倒したのは驚きでした。そしてジミー・バトラーの勇姿には本当に感動しました。
(前回:4人目のNBA選手に?「和製ステフィン・カリー」話題の富永啓生とは)
現在プレーオフ真っ最中ですが、すでにシーズンを終えている選手の中でフリーエージェント(以下FA)を迎える選手は次の契約金額の件で今後コート外の面で忙しくなるでしょう。
そんな契約金額ですが、NBAでは直近20年間ほぼ毎年サラリーキャップが大幅に上がり、選手たちの年俸も上昇していることはご存知ですか。
サラリーキャップとはチームが所属する選手たちに払える年棒の上限のことを指します。この上がり幅が特に近年は凄まじく、それに比例してスター選手の年俸も上がり続けています。今回は、現在のNBA選手の年俸や契約金額がいかに過去と比べて上がっているか。また、その背景や近年NBAが抱える問題についてお伝えしていきます。
成長し続けるビジネスとしてのNBA
まず前提として、NBA選手のサラリーキャップがどのように決まるのかお伝えしていきます。サラリーキャップはNBA全体の収入のざっくり半分くらいの金額が目安で、その額は前年のリーグ総収入で決定されます。つまりNBA全体が儲かるとそれに比例し、サラリーキャップも上昇するという仕組みです。
NBAの収入は大きく放映権、スポンサー、チケット、グッズ収入の4つがありますが、特に放映権収入は莫大な収益源です。放映権とはNBAの試合をテレビやインターネットで配信するための権利のことですが、この金額が半端ないのです。例えば、現在全米向けの放映権を保持しているのは、ウォルトディズニー傘下のABC、ESPNとワーナーブラザーズ傘下のTNTですが、NBAは2016-17シーズンから彼らと9年間で総額240億ドルの契約を結びました。日本円に換算すると3兆円を超えます。(以下、レートは全て2023年4月28日現在)
年間に換算しても26.6億ドルですから、日本円に換算すると約3481億円になります。
しかも「Amazonが彼らよりも2~3倍の金額を出してNBAの放映権を狙っているのでは」という噂もあり、今後全米だけでも放映権収入が増える可能性が高いです。