「当社がAI領域で注力しているのは、ジェネレーティブAI を含む多くの新たなユースケースを可能にするための基礎モデルだ。今後数カ月のうちに、新たなプロダクトを送り出していくことに非常にエキサイトしている」とザッカーバーグは述べた。
メタは、フェイスブックやインスタグラムの広告や投稿のためのビジュアル作成ツールに加え、将来を見据えたマルチモーダルインタラクション(音声・言語・身体動作を複合的に扱う対話)のユースケースを模索しているという。同社のCTOのアンドリュー・ボズワースは4月のNikkei Asiaのインタビューで、ジェネレーティブAIを用いた広告作成ツールの開発をほのめかしていた。
ChatGPTの成功により、ジェネレーティブAIは注目の技術トレンドとなり、あらゆる規模のテック企業がこの技術の導入を検討する必要に迫られている。メタは2023年初め、LLaMAと呼ばれる大規模言語モデルを研究者向けに公開したが、ChatGPTに匹敵するような広く利用できるプロダクトをまだ発表していない。しかし、インスタグラムのリールには人工知能(AI)を活用したレコメンデーションを追加した。
ロイターの報道によると、メタはAIに適したハードウェアの導入が遅れたため、他社に追いつくために苦戦しているという。AI開発の抜本的見直しにより、同社の設備投資は四半期当たり約40億ドルも増え、2021年の2倍近くに膨らんだとされる。
しかし、メタはすでに、AIの活用によるビジネスの改善を実感している。ザッカーバーグは、AIを活用したリールのレコメンデーションにより、インスタグラムの利用時間が24%以上増加したと述べている。その結果、Reelsのマネタイズ効率は、前四半期比でインスタグラムで30%以上、フェイスブックで40%以上もアップしたという。
ただし、この動きは同社がメタバースから脱却するためのものではない。ザッカーバーグは、ジェネレーティブAIが、同社がMR(複合現実)のために行っている数十億ドルの投資をサポートし、ユーザーのアバターやオブジェクトの作成を支援すると述べている。
さらに重要なのは、ザッカーバーグがジェネレーティブAIを用いてWhatsAppのビジネス顧客のサポートを行おうとしていることだ。中小企業がビジネスのチャットを、AIエージェントに代行させられるようになれば、企業の顧客とのコミュニケーションは大きく変わることになると彼は説明した。
(forbes.com 原文)