米国疾病管理予防センター(CDC)によると、アークトゥルスは、現在最も広く蔓延していて伝染性の高いオミクロン株の亜変異株だ。
CDCは、この変異株が旅行者の間で増加しており、3月6日の週には旅行者の1.1%に見られたが、4月3日の週には19.8%に跳ね上がったと報告した。
4月22日の週現在、全米における発症数の9.6%をアークトゥルスが占め、73.6%を占めるオミクロン株(XBB.1.5)に次いで広まっている亜変異株となっているとCDCは報告している。
世界保健機関(WHO)もアークトゥルスに注目し、4月17日にこれをオミクロン株とともに「注目すべき変異株」に分類した。「懸念される変異株」より1段階低い分類だ。WHOは1月に、アークトゥルスを「監視下の変異株」に分類していた。
この亜変異株が米国、オーストラリア、シンガポール、リビア、クウェート、カタールを含む33カ国で検出されているが、最も蔓延しているのはインドであることもWHOは報告している。
9万4142人。これは4月19日現在の米国における新型コロナ感染者数の1週間あたり平均人数だ。しかし、これは昨年同時期の1週間平均、29万6279人から大きく減少している。当時はオミクロンの別の亜変異株であるBA.2が最も勢力の強い変異株だった。
WHOの疫学者マリア・ヴァン・ケルコフは3月の記者会見で、インドではアークトゥルスが他の流行変異株を置き換え「注目すべき存在」であると話した。ミネソタ大学は、この変異株がインドにおける過去7カ月で最大の新型コロナウイルス急増の原因となっていると報告。インド政府は、4月26日時点の新型コロナ感染者数を6万1000人と報告している。3月30日に報告された1万3509人と較べて著しい増加だ。