子どもが結膜炎になる新型コロナ変異株「アークトゥルス」とは

結膜炎は新たな変種アークトゥルスの代表的症状の1つ(UNIVERSAL IMAGES GROUP VIA GETTY IMAGES)

アークトゥルスは組換え変異株であるXBBの子孫にあたり、そのXBBはBA.2の2種類の亜型に由来しているとWHOのリスク評価で述べられている。現在、世界で流行している600種のオミクロン亜変異株の1つだが、厳密な起源はまだ特定されていない。WHOのリスク評価レポートは、アークトゥルスが初めて検出されたのは1月だったと報告している。ヴァン・ケルコフは記者会見で、この亜変異株の特異な点は、スパイクタンパク質の変異であり「感染力の増加および病原性増加の可能性を示している」ことも話した。

米国眼科学会によると、特に子どもにおいて、結膜炎(pink eye)がアークトゥルスの症状の1つであると疑われている。ただし、子どもに目のかゆみや充血が見られても、親は心配しすぎないようにと同学会はいう。それはあらゆる年代によく見られる目の症状であり、アレルギーによるものだからだ。それでも、新型コロナの可能性を排除するために、ウイルス検査は受けるべきだ。

Hutton Health Consultingの公衆衛生コンサルタント、ブラッド・ハットンはアークトゥルスについて「現在世界を支配している変異株XBB.1.5に対する競争優位性を持っている」と思われるが「大きな不安材料ではない」、なぜならXBB.1.5と較べて重篤な症状を引き起こさないからだとMedical News Todayに話した。

発熱は常に新型コロナの症状だが、アークトゥルスに関連する発熱はさらに程度が高いとメーヨー・クリニックの臨床ウイルス学ディレクターであるマシュー・ビニッカーはHuffington Postに話した。Stamford Healthによると、高熱は成人では39.4℃以上、生後3カ月以下の乳児では38.0℃以上、3カ月から3歳までの幼児では38.9度以上、それより年長の小児では39.4℃以上と定義されている。患者が結膜炎とともに発熱した場合、それはアレルギーによる感染と区別する方法の1つであり、「通常アレルギーは発熱を伴わない」からだとビニッカーは述べている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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