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2023.04.28 13:30

マスク買収後、ツイッターは検閲に関するほぼすべての政府要請に応じる

Getty Images

テクノロジー誌「Rest of World(レスト・オブ・ワールド)」のレポートによると、Twitter(ツイッター)は、イーロン・マスクが会社を買収して以来、政府や裁判所からのコンテンツの削除や改変の要求に80%以上応じている。就任前の約50%から比べると、政治検閲を制限するというマスクの約束と一致しない。

そのレポートによると、マスクが6カ月前に買収して以来、Twitterが受け取った971件の政府要請のうち、同社は808件に完全に応じ、154件に一部応じた。

この報告書は、ハーバード大学のバークマン・クライン・センター・フォー・インターネット&ソサエティが運営しているオンラインコンテンツの削除要請を追跡するデータベースLumen(ルーメン)の情報を使用している。Twitterをはじめ、Google(グーグル)やWikipedia(ウィキペディア)などのテック企業は、自発的にデータをLumenに共有している。

Twitterは残りの9つの要求に対する回答を報告していない。これらの要求はすべて、政府や裁判所がコンテンツの削除やユーザーの個人情報の提供を求めるもので、通常は匿名のアカウントの特定を助けるためのものだ。

マスクが会社を買収する前の半年間、Twitterは3件の要請を拒否したと報告し、その前の半年間は5件の要請を拒否したと報告している。

この新しい数字は、マスクが会社を買収する前の半年間、Twitterが550件の要請のうちの280件(約51%)にしか完全に応じていなかったときから急増し、83%になった。

最近の要請の大半は、インド、トルコ、アラブ首長国連邦、ドイツといった外国政府からのもので、いずれも過去1年間にインターネット規制を強化した国であり、米国からの要請はなかったと報告されている。

フォーブスはTwitterにコメントを求めたところ、自動でウンチの絵文字を受け取った。この絵文字は、同社が少なくとも1カ月間、プレスのリクエストに応える時に使ってきたものだ。

マスクはTwitterを買収した際、プラットフォームが左寄りに偏っているとして、言論の自由を向上させ、政治的偏向を制限することを意図していると明言した。しかし、彼は言論の自由に関するいくつかの論争に直面している。例えば、インドのナレンドラ・モディ首相を批判するBBCのドキュメンタリーに関する数十のツイートが、インドの情報省からの要請を受けて1月に削除された際には、検閲の疑いがあった。また、Twitterはマスクを含む億万長者のプライベートジェットを追跡していた複数のアカウントを停止している。

2022年10月に就任したマスクは、Twitterを買収した理由について「さまざまな信念を健全に議論できる、共通のデジタルタウン広場」を提供するためだと述べている。彼は内部メールを複数のジャーナリストに提供し、ジャーナリストはそれを「Twitter Files」として公開した。このメールには、さまざまな論争を引き起こすトピックをいかに調節するかについて、Twitterの元幹部が政府関係者とやりとりしていたことが示されている。マスクはまた、ドナルド・トランプやアンドリュー・テイトなど、過去に禁止されたアカウントを復活させ、ツイッターの従業員のおよそ10%を削減した。

Twitterは過去6カ月間、政府からの要請を受け入れる割合が多くなっているが、Lumenのデータベースでは、要請は過去6カ月で971件、その前の6カ月で550件、その前の6カ月で348件と、全体的に増加していることもわかる。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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