海外

2023.04.29 16:00

Spotify創業者が参入 「健康診断」の未来

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スタートアップを中心にビジネスのトレンドを、メールで隔週お届けしている「Forbes JAPAN Newsletter」。本連載では、その内容をピックアップして紹介します。

今回は、医師であり、米国Sozo Venturesの投資家である中安杏奈さんによる「医師 × VCが見るヘルスケアトレンド」コーナーから、3月19日の配信記事を掲載します。


予防医療の市場が拡大するなか、海外では「健康診断」にテクノロジーを掛け合わせたスタートアップが増えてきています。健診はどう進化していくのか、現時点の未来予想を紹介します。

1. 定点観測から連続観測、都度払いからサブスクへ

これまでは健康診断での定点観測しかできなかった身体の情報が連続的に手に入るようになっています。ウェアラブル端末での運動や睡眠状態の記録、遠隔モニタリングを活用した診察によって、健康状態の管理や慢性疾患の検知が簡単にできるようになってきました。

課金方法については、「健康診断+連続的な予防医療サービス」の対価として毎月一定額を支払うサブスクが一般的になりそうです。例えば、Forward(米)やZoi(仏)が良い例です。後者はまだ初期で価格は公開されていないですが、前者は月額149ドル(約1万9800円)でサービス提供をしています。

2. 全身スキャンの活用が進む

MRIなど全身スキャンを健康診断に活用することには賛否両論あります。有用な情報が得られることもある一方、偽陽性(例:実際にはがんではない影ががんと勘違いされてしまう)があったり、健診後の経過観察もどこまで精査するべきか不明瞭で患者も次の行動が取りづらいからです。

そこに切り込んだのがSpotify創業者のダニエル・エク氏です。彼は、全身スキャンを健康診断のスタンダードにすることを目指し、2023年の2月にNeko Health(ネコ ヘルス)を設立。

独自開発したスキャン機器で、15分程度の健診をスウェーデンの首都ストックホルムにある施設で提供していくといいます。1回約2万円で、AIが心臓・呼吸器・皮膚などに関する5000万以上の身体のデータを収集するとのこと。Spotify創業者がつくる健康診断の未来が楽しみです。


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文=中安杏奈

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