ビジネス

2023.04.29

iPhoneが来年にも欧州で「サイドローディング」対応の見通し

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アップルが社内で「countryd」と呼ばれるシステムを構築し、昨年末にリリースしたiOS 16.2以降のOSに密かに組み込んでいる模様だ。ニュースサイトの9to5Macが4月25日に報じた。このシステムは端末の位置情報に基づき、機能を制限するもので、現状ではまだ実際には使われていないという。

9to5Macによるとこのシステムは、App Store以外のアプリストアの利用を可能にする「サイドローディング」に関連するものだという。アップルは長年、サイドローディングの許可を拒んできたが、その理由はApp Storeの収益に影響を与えることと、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があるからだとされてきた。

しかし、欧州連合(EU)は、アップルにサイドローディングの許可を要求しており、報道によると同社は、2024年までにEUの新規制に対応する見通しという。countrydはデバイスがどの地域で使われているかを把握するための仕組みで、アップルは欧州限定でサイドローディングを許可することが可能になる。

9to5Mac の記者は、アップルがGPSの位置データやWi-Fiルーターの国別コード、SIMカードから得られる情報などの「複数のデータを組み合わせて、ユーザーがいる国を判断する」と述べている。

つまり、この制限を回避するためには、システム設定を変えるなどの簡単な操作では不可能で、欧州で購入したiPhoneを米国に持ち込んでもサイドローディングはできないことになる。また、それと同時に、米国でもいつか、サイドローディングの導入が求められることになれば、アップルはシステムのアップグレードで、それに対応することになる。

アップルは現時点で、サイドローディングが可能になるとは発表してないが、6月5日から開催の開発者会議WWDC23でそれに言及する可能性があるとブルームバーグは報じている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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