自然葬による葬儀は、田舎の庭など静かな環境で、遺族が時間に追われることなく、家族や故人の遺志にもとづいて組まれたプログラムで行われる。遺体は樹木や花などの環境に配慮して埋葬し、樹木の上にひっそりと掲げられたプレートや花壇のそばの石板でその人を偲ぶ。
少なくともこれが、型破りな葬儀社「Funebra Funeral」による自然葬の姿である。
創業者のモニカ・スチャンスカは、ブルノ大学の学生時代に自然葬というテーマに出会った。そこから10年以上にわたって、チェコ共和国では「Ke kořenům」ブランドで、2017年からはŽivica協会と協力してスロバキア共和国では「Funebra」ブランドで、自然葬の立ち上げに貢献してきた。
モニカは同僚のアンドレア・ウヘルコバとともに、「死」というテーマに閉鎖的にならない環境を目指して活動している。モニカに、この難しいテーマに対する意識改革はうまくいっているのか、また、現在行っている自然葬のネットワークをコシツェ(スロバキア第2の都市)やズヴォレン(スロバキア中央部バンスカー・ビストリツァ県の町)から他の都市に広げていくのか、インタビューに答えてもらった。
火葬は自然葬と矛盾しないか
──庭や森を所有している場合、そこに自然墓地を設けることはできるのでしょうか?
わが国の法律では、市町村、教会、宗教団体しか墓地を作ることができません。そこには制約があります。一方、自然葬発祥の地であるイギリスでは、条件さえ満たせば非営利の団体でも墓地を作ることができます。──ズヴォレンとコシツェの埋葬地は、既存の墓地とつながっています。長年にわたって管理者を説得する必要はありましたか?
もう少し遡ってお話すると、チェコで自然葬を始めようとした時、プラハの墓地管理局のディレクターから直接、やってみないかと声をかけられたのです。彼は、私が自然葬を学問的な裏付けもありながら準備していることを知り、私たちの意図を実に進歩的に先取りしてくれて、さらにその先に示せるような参考資料さえ用意してくれたのです。ツヴィカは市との連携がうまくいっていたので、そのことも裏付けにして、ツヴォレンに向かいました。市はこのアイデアに賛同してくれたものの、少しばかり慎重でした。でも彼らは、市営墓地の拡張を目的とした小さなエリアを私たちのために確保してくれました。
そして、人々が自然葬に対して高い関心を示してくれたので、さらに2回ほど、エリアを拡張してくれることになりました。現在では、ご遺体は「有機骨壷」と「棺桶」の両方で埋葬されています。コシツェは火葬をする地域なので、骨壷での埋葬のみですが。