生命を感じる作品が生まれるわけ
今回の個展では、作品だけでなく会場にもこだわった。最も重要だったのが照明で、ドレス作品も彫刻作品も、影を含めて美しく見えるようにライティングを工夫したという。「作品をより良く見せるためにはどうするか、コンセプトやテーマを引き出すにはどうすればいいのかと考えました。彫刻作品は、影が(作品から伸びて)人が立っているように見えたり、虫や植物、海の生物のようにも見えたりして面白いですよね」
壁に展示されているのが「PIMT」。手前のトルソーが着ているドレスは、ファブリック製の「JOMONJOMON」/ RYUNOSUKEOKAZAKI
作品が会場に落とす影は、岡﨑が言うとおりさまざまな形に見え、見るものの想像力を刺激する。
「僕は『祈り』を造形しているので、もちろん何かに似せたものをつくろう、何かのモチーフをつくろうと思って制作しているわけではありません。制作過程で勝手に生命を感じる作品ができあがっていくんです。自然に擬態していくような」
「002」は広く一般にも公開される初めての個展でもある。より多くの人が岡﨑の作品世界を体験することになるため、岡﨑自身の期待も大きい。
「僕や僕の作品をたくさんの方々に見て、知ってもらって、つながりや広がりが生まれれば、また僕の次の経験にもなります。ジャンルを問わず、いろいろな人に見にきていただきたいです」
>>続く
◤30U30 AIUMNI INTERVIEW◢
「リュウノスケオカザキ岡﨑龍之祐」
#1 岡﨑龍之祐にとって「祈り」とは 東京と故郷ヒロシマとの違い
#2 「リュウノスケオカザキ」の岡﨑龍之祐が 初披露の彫刻作品にこめた思い
#3 手の経験を増やすことで、作品が「進化」する丨岡﨑龍之祐