フォーブス台湾長者番付、首位は蔡兄弟の1.2兆円

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フォーブスがまとめた今年の台湾長者番付では、蔡明忠(ダニエル・ツァイ)と蔡明興(リチャード・ツァイ)の兄弟が保有資産額88億米ドル(約1兆2000億円)で首位に立った。

今年は上位50組のうち22組の資産が減少し、トップの順位が大幅に変動。蔡兄弟も資産を前年から8%減らしたものの、5年ぶりに首位の座に返り咲いた。

台湾経済は2021年、6.3%成長したが、22年は世界的な需要の停滞や地政学的緊張の高まりにより、成長率は2.5%にとどまった。台湾証券取引所加権指数(TAIEX)は昨年の長者番付作成時から9%低下したが、昨年は1580億ドルだった富豪50組の総資産額は微減にとどまり、1550億ドルとなった。

蔡兄弟が経営する富邦金融控股(フーボン・フィナンシャル・ホールディング)は、新型コロナウイルス関連の保険料支払いが業績に響き、株価が下落。昨年2位に入った国泰金融控股(キャセイ・ファイナンシャル・ホールディング)の蔡宏図と蔡政達の兄弟も、保険料支払いの影響で資産額を77億ドルに減らし、4位に転落した。

大手食品ブランドを傘下に置く頂新国際集団(株式非公開)の魏応州、魏応交、魏応充、魏応行の魏4兄弟は、保有資産額83億ドルで2位に浮上した。同集団傘下の上場企業で、中国本土で最大級のインスタントラーメンメーカーである康師傅は昨年、過去最高となる114億ドルの売上高を記録した。

化学大手、長春グループの共同創業者である林書鴻は、化学品価格の高騰により、資産額を79億ドルに増やして3位に入った。昨年首位だった靴メーカー、宏福実業集団の張聰淵は、コロナ禍の影響で既存顧客からの注文が減少し同社の株価が下落したことから、資産額は76億ドルに減少し、5位に転落。前年からの資産減少幅は45億ドルと、50組中最大となった。

以下は、2023年台湾長者番付のトップ10組。資産額は、4月7日時点の株価や為替レートに基づいている。全50組のランキングはフォーブス英語版サイトで公開されている。

1位 蔡明忠、蔡明興/88億ドル
2位 魏応州、魏応交、魏応充、魏応行/83億ドル
3位 林書鴻/79億ドル
4位 蔡宏図、蔡政達とその家族/77億ドル
5位 張聰淵/76億ドル
6位 郭台銘(テリー・ゴウ)/74億ドル
7位 張虔生(ジェイソン・チャン)、張洪本(リチャード・チャン)/63億ドル
8位 蔡衍明/61億ドル
9位 林百里(バリー・ラム)/56億ドル
10位 陳泰銘(ピエール・チェン)/55億ドル

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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