同盟国がウクライナへの提供を約束したレオパルト2の数は85両に増えている。これらはまったく同じものではなく、砲身長が短いA4、A4と同様に砲身長が短い新型のA5、砲身長が長いA6が混在している。85両というのはウクライナ当局者が当初希望していた100両に対して15両足りないが、1つの旅団に完全配備できる数だ。
ゼレンスキー大統領は「侵略者に責任を取らせるべく(オランダと)協力し続ける」とツイートした。
だが、引っかかる点がある。デンマーク軍とオランダ軍は実際にはレオパルト2A4を所有していない。他国からA4戦車を購入して整備する費用をデンマークとオランダが負担するという計画だ。このA4戦車の所有国はおそらくスペインか。
ただ、これらの14両がウクライナに到着するのは2024年初めだ。つまり、ウクライナ軍が以前から計画している2023年の反攻作戦の先頭に立つ71両のレオパルト2に合流することはない。その代わり、ウクライナ軍が反攻で失うレオパルト2の補充となる可能性がある。
デンマークとオランダの今回の戦車供与は、デンマーク、オランダ、ドイツの3カ国による、少なくとも100両のレオパルト1A5を整備して供与するという約束に続くもので、ウクライナの戦車部隊の長期計画を示唆している。ウクライナ軍はゆっくりと少しずつ欧州と米国の重装備を中心とした北大西洋条約機構(NATO)スタイルの軍隊へと変わりつつある。
今後、より多くのレオパルト2が続くかもしれない。NATOに加盟しているウクライナの同盟国は数百両もの余剰のレオパルト2やより軽量の旧型レオパルト1を保管している。しかし、そのほとんどが修理が行き届いていない状態であることは周知の事実だ。