欧州で備蓄されている戦車の状態の悪さと戦車整備のインフラ面での脆弱さを明確に認識して、ドイツとポーランドの当局者は4月20日、ウクライナに送るレオパルト2を整備するための専用施設をポーランドに設けると明らかにした。ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は「西側の最新の技術はロシアの敗北をもたらすだろう」「早く実現すれば、平和の訪れも早くなる」とツイートしている。
レオパルト2A4と同じ銃撃統制システムを採用している旧式のレオパルト1A5も同じ施設で整備するのは無理なことではないだろう。この整備施設の計画は、デンマークとオランダが供与する14両のレオパルト2が、ウクライナが同盟国から受け取る最後のレオパルト2ではないことを示している。より大規模で長期的に展開されるウクライナ軍のレオパルト隊のためのインフラが同時に整いつつある。
しかし、ウクライナで使用される西側の戦車はレオパルトだけではない。米国はレオパルト2と同じ口径120ミリ砲を搭載しているタングステン装甲のエイブラムス戦車の改良型M-1A1を31両提供することを約束している。
ロイド・オースティン米国防長官は4月21日、M-1が数週間以内にドイツに到着し、ウクライナ軍の乗員への10週間の訓練を開始すると発表した。このスケジュールでいくと、M-1は8月には戦闘に参加できるようになるかもしれない。
M-1の投入もウクライナが計画する反攻には遅すぎる可能性がある。M-1は反攻で失われる戦車の補充としてレオパルト2の第2陣といっしょになり、ウクライナ軍のNATOスタイルの軍隊への変貌を加速させるかもしれない。
(forbes.com 原文)