そこには高度な技術だけではない、クリエイティブで洗練された唯一無二の世界観があった。
ファッションに少しでも興味のある大人の男性なら、メディアに登場するモデルやタレントの着るスーツの左胸に付いた、小さな花形の飾りに見覚えがあるだろう。「ブートニエール」といわれるその花飾りは、イタリアのファッションブランドであるラルディーニのアイコンである。その名よりもアイコンのほうが先に知られている点に、知名度やブランドイメージだけではない、確かな支持を獲得していることがうかがえる。世界中のビジネスマンだけでなくセレブリティや経営者にも愛用者が多いラルディーニ。その人気の秘訣はどこにあるのか、ひも解いてみたい。
美しいアドリア海に面したイタリア中部の都市フィロットラーノにて、1978年に誕生したラルディーニ。その発端は、ファッションを愛する18歳の青年ルイージ・ラルディーニが父の援助を受け、兄アンドレアと姉ロレーナと共にオープンさせた、小さなテーラードウェアの工房であった。
その高い技術と洗練された感性は瞬く間に評判となり、世界中の著名ブランドからスーツやジャケットのオーダーが舞い込むのに、そう時間はかからなかった。
やがて妹のアンナリータも加わり、4人の兄弟姉妹は順調にビジネスを拡大。ファクトリーも拡充されていくが、彼らは新たな事業へのチャレンジを決意する。それはファミリーの名を冠
した、自社ブランドの開発だった。そして創業からちょうど20年目を迎えた1998年、ラルディーニはまずはメンズウェアブランドとして、ついに念願のデビューを果たしたのである。
モダンとコンサバティブを併せもつ服の価値
スーツやジャケットなどのテーラードウェアのファクトリーが母体であるラルディーニは、コレクションの中心もテーラードウェアだ。45年にもわたり世界中の一流ブランドから認められ、OEMを請け負ってきただけあり、クオリティは折り紙付きである。その仕立ては「ゆきわた」と呼ばれる袖山(肩口の盛り上がり)を成形するパーツをあえて使わず、丸みのある肩となるのが特徴。英国のスーツなどは袖山が直線的でいかつい雰囲気だが、ラルディーニの場合は威圧感がなく現代性を感じさせるのだ。
だが、ラルディーニが支持される理由はほかにもある。創業者であり、もち前のセンスを生かして現在も自社ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるルイージは、新しい感性やトレンドの導入に対して、非常に貪欲なことで知られる。
フィレンツェにて年2回開催される世界最大のメンズファッション見本市「ピッティ イマージネ ウオモ」をはじめ、世界中のコレクションや話題の店舗なども精力的に視察。生地に関しても、メーカーと共に独自開発した、現代的でほかにはないエクスクルーシブファブリックを積極的に導入している。
こうしてクラシックで変化が乏しいテーラードウェアに、ラルディーニは独創的かつ新鮮な息吹を吹き込み続けているのである。
成熟した大人の男性にふさわしい、イタリアンテーラリングが備えるエレガントで落ち着いたコンサバティブをベースとながらも、モダンで洗練された独自の世界観をバランスよく併せもつラルディーニ。
老舗ファクトリーブランドならではの高品質と定番的な安心感があり、末長く着られつつ、いつも新鮮なアイテムと出合える。そして流行に翻されることなく、時代の変化に絶妙にフィットする、自分らしいワードローブを構築できる。そんな唯一無二のブランドであるからこそ、ラルディーニは世界の洒落者たちの心をとらえて離さないのだ。
あくまで真骨頂であるテーラードウェアをコレクションの軸としながらも、ルイージの指揮の下、近年ラルディーニはニットウェアやジーンズなどのカジュアルアイテムも少しずつ開発。
ビジネススタイルだけではなく、ライフスタイル全般をカバーするトータルファッションブランドへ、さらなる進化を遂げようとしている。テーラード同様、コンサバティブとモダンのバランスが秀逸なカジュアルウェアも大人の男性に好評を博しており、新たなファンの獲得に一役買っているのだ。
また2010年に初上陸した日本では、著名セレクトショップや一流百貨店での取り扱いに加え、現在はエレガントで洗練されたその世界観を一望できる、直営のオンリーショップを全国の主要都市に6店舗展開している。
ぜひ一度直営店に足を運び、ブートニエールの付いた洒脱なスーツやジャケットに袖を通してみてほしい。その抜群の着心地とモダンな美しさの虜となるはずだ。
トヨダトレーディング プレスルーム
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