これらはすべて、長期的にストレスをコントロールしていくための優れた方法であることが、過去の多くの研究によって、明らかにされているものだ。だが「たったいま」感じているストレスをいま何とかしたいというときには、何か別の、より簡単にできる方法が必要かもしれない。
以下、ストレス反応を抑え、心を落ち着かせるための方法のうち、研究によって効果が裏づけられている5つをご紹介する。
・入浴する、シャワーを浴びる
意外に思えるかもしれないが、シャワーを浴びることにはストレス反応を抑制する効果がある。温水でも冷水でも、生理学的には、シャワーはホルモンや神経伝達物質に働きかけるものだ。例えば、(ストレスホルモンの)コルチゾールの分泌を抑えたり、(多幸感を増すホルモンの)エンドルフィンの放出を促したり、(抗ストレス作用がある)オキシトシンや(意欲を高める)ドーパミンの放出を促したりする。
さらに、入浴には脳に働きかけるその他の効果もあるとされている。だが、肌に水が当たること、あるいは体を洗うということはこれら以前に、私たちが古来持っているより基本的な感覚としての幸福感や心の落ち着きを、呼び起こしてくれるのかもしれない。
・わずか数分でも自然に触れる
より多くの研究結果が、心身の健康を保つための鍵を握るのは「自然の中で過ごすことだ」と指摘している。先ごろ発表されたばかりの論文でも、自然と接することを「処方」した結果、うつと不安障害どちらの症状にも「大きな変化がみられた」とされている。これまでの研究によれば、自然の中で過ごす時間は長い方が、より高い効果が得られる。だが、ごく短い時間でも、効果はあるという。わずか数分でも、外の空気を吸ったり、木陰を楽しんだりすることができるなら、そうしてみるのがよさそうだ。