教育

2023.04.27 12:00

選出! 子どもたちのウェルビーイングを実現する変革者たち30

瀬戸SOLAN小学校では、タブレットを用いて「探究型思考」を学ぶ

瀬戸SOLAN小学校では、タブレットを用いて「探究型思考」を学ぶ

『Forbes JAPAN』2023年6月号の第2特集「イノベーティブ・エデュケーション30 ー子どものウェルビーイングを実現する変革者たち」では、高校、教育委員会、プロジェクトを対象とした「教育」に関するアワードをはじめて開催した。選出された30の組織・団体とは──。本記事は、同特集内で掲載している記事だ。
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新たな学びを実装してきたイノベーターを表彰

「Forbes JAPAN」は2023年、学校、教育委員会、プロジェクトを対象にした教育に関するアワード、「イノベーティブ・エデュケーション・アワード」をはじめて実施した。ドラスティックな変化が起きている教育について、これまで変革を主導してきた方々こそが「イノベーター」であるという趣旨の名称だ。審査委員には、熊本市教育委員会教育長の遠藤洋路、未来教育デザイン代表社員の平井聡一郎、日本大学文理学部教授の末冨芳、Inspire High CEOの杉浦太一に就任いただいた。2回の審査会を経て、30の学校、教育委員会、プロジェクトを選出した。

審査基準は、経済協力開発機構(OECD)が定義した2030年の子どもたちに必要なコンピテンシー(行動特性・能力)である「ウェルビーイング」「エージェンシー」を育むことを軸にしながら、「これまでの教育変革の実践とその実績」を中心に、社会性、公共性を意識しながら、学校と社会をつなぐことや、教育エコシステム構築といった観点で選出した。

学校


伊那市立伊那小学校
通知表、時間割、チャイムなしの公立小
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「探究型の総合的学習」の先進事例として有名な長野県の公立小学校。60年以上も通知表がなく、時間割やチャイムもない。また、ヤギや豚、ニワトリといった動物も飼育しているユニークな教育活動について、長い歴史を持つ学校だ。最大の特徴は、教育課程の中心に「総合学習」「総合活動」を置き、全学年が、学級単位で探究的なテーマに取り組んでいる点である。

POINT 公立小学校にもかかわらず、長年にわたり、探究型のカリキュラムを実践している実績がある先駆者。長きに継続している学校の組織文化や地域との関係性を含め重要な点が多い。

軽井沢風越学園
「新しい普通」をつくる学校

軽井沢風越学園は、2020年4月開設した一条校。幼小中混在の12年間一貫校で、連続性を大切にしたカリキュラムを志向。「子どもの経験の総体」と捉え、体験と抽象、探索と探求、遊びと学びを行き来するアプローチ。「わたしをつくる」という授業が3年生からあるなどユニークな探求学習も数多くある。地域と連携・交流して子育てを行う活動にも重点を置く。

POINT 元楽天副社長の本城慎之介が創設し、理事長を務め、子ども自身の可能性と公教育の可能性を信じて、独自の「学び」の実践を行う。全国から注目を集めるイノベーティブを象徴する学校。

きのくに子どもの村学園
オルタナティブ教育校の先駆者

和歌山県橋本市にある「きのくに子ども村学園」は一条校(法律上正式な学校)として1992年設立。教科の概念がなく、主に「プロジェクト」「自由選択」「基礎学習」の3種類の時間がある。クラスや学年という概念もなく、1年から6年までが一緒に学ぶ形式もユニークだ。現在では、福井県勝山市、山梨県南アルプス市をはじめ、複数の「子ども村」ができている。

POINT オルタナティブスクールの先駆的学校。感情、知性、人間関係の面で自由な子どもに育ってほしいと、自己決定の原則、個性化の原則、体験学習の原則を大切にした教育改革を推進。
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文=Forbes JAPAN フォーブス ジャパン編集部

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