北米

2023.04.25 08:30

バイデン大統領の次男ハンターの疑惑で司法省が事情聴取へ

ハンター・バイデン(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

バイデン大統領の次男のハンター・バイデンが、海外企業から受け取った多額の報酬をめぐる疑惑に絡み、司法省は今週、ハンターの弁護士に事情聴取を行う予定だと4月20日のCNNが報じた。内国歳入庁(IRS)は、ハンターがこの報酬の税務処理に関する調査の過程で、当局の優遇措置を受けたと主張しており、司法省は、彼の弁護士と脱税や銃の購入に起因する別の容疑について話し合う予定という。

検察当局がNBCニュースに語ったところによると、ハンターは、税金の申告を怠ったことによる2つの軽犯罪の疑いと、脱税および銃器の購入を書類に記載しなかったことによる重罪の疑いに直面している。CNNによると、ハンターの弁護士は今週、司法省の担当者と会談し、こららの容疑について話し合うという。

これらの容疑は昨年、ハンターに関する捜査を監督する連邦捜査官が、彼を告発するための十分な証拠があることを示唆した後にワシントン・ポストによって報じられていた。IRSでハンターに対する調査を監督する特別捜査官は先週、検察の犯罪捜査に対して政治干渉があったことを示唆する書簡を民主、共和両党の議会幹部に送付していた。

2人の関係者がNBCニュースに語ったところによると、この件に関する捜査を昨年、ほぼ完了させたFBIの内部では不満が高まっているという。また、別の関係者はIRSは1年以上前に調査を終えていると指摘した。

ハンターの弁護士のクリストファー・クラークは、20日のニューヨーク・タイムズに対し、IRSの担当者が納税者の情報を開示することで法律に違反したと語った。

下院司法委員会と情報委員会は先週、ブリンケン国務長官に書簡を送り、彼が2020年11月の大統領選挙前にニューヨーク・ポストに掲載された大統領の息子のノートパソコンに関する記事を、ロシアのフェイクニュースとして退けるためのキャンペーンを仕組んだと非難した。

この書簡では、元CIA副長官マイケル・モレルの証言が引用され、ブリンケンがこの記事について話し合うために彼と接触したと述べている。

薬物依存の状態で銃を購入

ハンターに関しては、父のバイデンがオバマ政権の副大統領だった時期にビジネス関係があったウクライナや中国、カザフスタンなどの企業から不透明な巨額報酬を受け取っていた疑惑が持たれている。この疑惑をめぐる捜査は、2018年に始動した後、彼の税務処理に関する疑惑と、38口径のリボルバーの購入をめぐる疑惑に関する捜査に発展した。

2018年に、ハンターは、薬物依存の状態で違法に銃を購入していた疑いを持たれている。また、彼の納税に関する疑いは、2016年と2017年に税金の申告を怠った疑いと、事業費として少なくとも3万ドルの虚偽の控除を申請したことに起因している。

ハンターはまた、2020年のニューヨーク・ポストの記事で、デラウェア州のコンピュータ店に残された彼のノートPCから、その当時副大統領だった父親の影響力を自分の利益のために利用したことを示すEメールが発見されたと報じられたことでも、非難されていた。51人の情報機関のリーダーがこの記事をロシアのフェイクニュースだと断定した後、ツイッターは数日間の間、このニュースの拡散を制限していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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