2030年までに極度の貧困を根絶することは、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの第一目標です。
世界銀行は、1日2.15ドル以下で生活している人は極度の貧困状態にあるとしています。本題についてWEFのアジェンダからご紹介します。
貧困と極度の貧困の度合いをどのように測定し、定義するべきでしょうか。基本的な生活を送るために必要な基準とはどういったものなのでしょうか。
おそらく国によりその答えは異なり、地域や大陸を越えて一般化することは難しいでしょう。ある国にとっては特に意欲的なことではないとしても、線を引くことはバロメーターとなり、成功を示す根拠ともなるため、政策立案者にとっては有用でしょう。
世界全体の状況を把握するためには、何らかの形で測定する必要があります。
それは、国連の持続可能な開発目標の主要な項目として「あらゆる場所であらゆる形態の貧困をなくす」と、貧困の撲滅が掲げられているためです。
すべての人が、衣食住を含む基本的な必要を満たすための十分な資金を確かに持てるようにすることは、社会がどのように機能しているかを示す重要な指標であり、世界中の政治家や政策立案者にとって中核となる目標です。世界経済フォーラムの活動は、そのストラテジック・インテリジェンス・プラットフォームで、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を下支えしています。
世界銀行は、1日2.15ドル以下で生活している人は極度の貧困状態にあるとしています。
2019年には、世界で約6億4,800万人がこのような状況にありました。世界的な貧困率は、新型コロナウイルスのパンデミック時に上昇したことを除けば、一般的には低下傾向にあります。
2030年までに極度の貧困をゼロにすることを、世界に約束した持続可能な開発目標が達成されることは、おそらく難しいと考えられますが、世界開発センター(CGD)の最新の研究では、世界の極度の貧困状態にある人々の割合は、現在の約8%から2050年には2%を下回ることが予測されています。
2050年の世界経済に関するより幅広いシナリオの一部として、世界開発センターのチャールズ・ケニー上級研究員と、ザック・ゲハン研究助手は、2050年の世界の貧困の状況について様々な予測を行いました。
「私たちは、独自の経済成長予測と世界銀行の貧困・不平等プラットフォームに組み込まれたStataの関数を用いて、2050年の貧困を2つの異なるラインで予測します。
国内の不平等はその間変わらず、消費成長は私たちが予測した一人当たりGDP成長率と同じと仮定しました」と、彼らはブログに記しています。