2023年4月20日、スターシップは、テキサス州南部沿岸にあるスペースXの発射施設Starbaseから打ち上げられた。高さ約120mのスターシップは、これまでに製造された最も大きく最も強力なロケットだと言われている。Space.comのマイク・ウォールとタリク・マリックはこの打ち上げについて次のように書いた。「目標はスターシップを最大高度約233kmに到達させ、試練となる地球大気圏再突入を果たし、太平洋のハワイ島カウアイ沖に発射90分後に着水することだった」。しかし、そうはならなかった。
NOAAの静止衛星GOES EASTは、米国大陸東部の気象を監視している。同衛星は、ロケットの飛行機雲とその影を捉えた。ちなみに飛行機雲とは、飛行機やロケットのエンジンから出た水蒸気が凝縮したものにすぎない。上の画像で、スターシップの飛行機雲は「1」影は「2」で示されている。
衛星に搭載された比較的新しい機器も何かを捉えた。静止衛星雷マッパー(GLM)は、悪天候、洪水発生危険地帯などをより正確に観測するために最新世代のGOES衛星に搭載されている。しかし、GLMはそれ以外の「閃光」も検出できる。国立気象局(NWS)のFacebookページによると、GMLはスペースXが「予定外の分解」と呼んでいるものを捕獲した。NWSのページは次のように説明している「GLM Extent Density of Lightningは、グリッド・セル内で一定期間内に発生した稲妻の閃光の回数です……ロケットの爆発による閃光は、あまりにも大きかったため雷マッパーに検出されました」。上の画像の「3」で示されている。
静止気象衛星は非常に高い高度(約3万6000km)の軌道に位置し、地球との相対位置が固定されている。その軌道は「対地同期軌道」と呼ばれることもある。そのような軌道は、急速に変化する気候の監視や、衛星放送信号の送受信に適している。低高度極軌道も、詳細な空間的広がりが有用だが、1~2日の期間内に気象系のスナップショットしか取ることができない。GOESシリーズの衛星は数十年前から使用されているが、GLMは比較的新しい。最初に打ち上げられたのは2016年だ。NASAウェブサイトによると、それは「衛星搭載光学過渡現象検出器」だという。
現在の米国におけるGLMはこのウェブサイトで見ることができる。
(forbes.com 原文)