ウッドの旗艦ファンドのアーク・イノベーションETFと別のファンドのNext Generation Internet ETFは、20日に合計4170万ドル相当のテスラ株を購入した。テスラの株価はその日、利益率の縮小を受けて9.8%下落し、500億ドル強の時価総額を消失していた。
テスラの強気派として知られるウッドが率いるアークは、現状で165ドルのテスラ株が2027年の基本シナリオで約11倍の2000ドルに達すると予想している。これは、テスラの時価総額が6兆3000億ドルになることを意味し、現在世界で最も時価総額が高いアップル、マイクロソフト、サウジアラムコの3社の合計の時価総額にほぼ匹敵する
アークのテスラに対する期待を後押しするのは、同社のロボットタクシー部門に対する予測で、2027年の同部門の売上を弱気シナリオで2000億ドル、強気シナリオでは6130億ドルと予測している。
2022年のフォーチュン・ビジネス・インサイトのレポートで、世界のロボットタクシー市場は2021年から2029年にかけて17億ドルから1080億ドルへと、約6000%急拡大すると予想されている。しかし、アークのテスラ単体の予測は、それをはるかに上回っている。FactSetによると、テスラの目標株価を310ドル以上に設定しているアナリストはいない。
イーロン・マスクは、昨年10月の決算発表でテスラの時価総額がアップルとサウジアラムコの評価額の合計を超える可能性があると述べていた。アークは約8億5000万ドル相当のテスラ株を保有している。
アークの旗艦ファンドは、テスラ株への初期投資のおかげで2014年の運用開始から2021年のピークまでに800%近く急騰し、ウッドの知名度とピーク時に4億ドルに達した彼女の個人資産を押し上げた。
しかし、同ファンドは2021年初頭から75%以上下落し、市場全体を大きく下回る成績となっている。ウッドは、昨年秋にビットコインが2030年までに100万ドルになると予測するなど、自身が好む投資先についてきわめて大胆な予測をする傾向がある(ビットコインの価格は21日時点で約2万8000ドルだった)。
(forbes.com 原文)