2023.05.02 15:00

旅行の前に知りたい豆知識、今年から観光税を導入または値上げする欧州4都市

イタリア北部ベネチア(Getty Images)

イタリア北部ベネチア(Getty Images)

今年、欧州への旅行を計画しているのなら、追加費用を予算に含める必要があるかもしれない。既に複数の都市が観光税を導入しているが、その多くは過剰な観光客に対処するためのものだ。

旅行者に課される観光税は、地元住民に利益をもたらす設備や公共サービスに使われることが多い。したがって、たとえ旅行費用が多少増えることになっても、それが正当な目的のために使われることを覚えておこう。

それでは今年、観光税を導入または値上げする欧州の4都市を紹介しよう。

英国で初めて観光税を導入したマンチェスター

英北部のマンチェスターは、旅行者に観光税の支払いを義務付ける英国初の都市となった。2023年4月1日より、市内中心部のホテルや民宿に宿泊する旅行者は、1泊1部屋当たり1ポンド(約167円)の観光税が課されるようになった。地元当局によると、この徴税の目的は、観光客へのサービスを強化し、街路の清掃を改善するための資金を調達することだという。

マンチェスターは産業遺産が豊富で、双方向性の科学産業博物館を訪れたり、18世紀に整備された運河沿いを散策したりすることができる。

新たに観光税を導入するバレンシア

スペイン南東部の海岸沿いに位置するバレンシアを訪れる観光客は、滞在するために税金を支払わなければならなくなる。

観光税はホテルやアパート、ホステル、キャンプ場など、あらゆる種類の宿泊施設に滞在する旅行者に適用される。税額は宿泊施設によって、1泊当たり50セント(約74円)~2ユーロ(約294円)の幅で変動する。

ここから得られる収入は、観光客の多い地域に住む地元住民のために、手頃な価格の住宅を建設するために使われる。

観光税を値上げしたバルセロナ

スペイン北東部カタルーニャ州の芸術の街バルセロナには年間数百万人の観光客が訪れる。同市は既に観光税を導入しているが、4月1日から州税と市税の双方が値上げされた。この税金は、公式な観光宿泊施設に滞在する全ての旅行者に課される。今回の改正で、旅行者は2.75ユーロ(約405円)の観光税を支払わなければならなくなったが、来年には3.25ユーロ(約479円)に引き上げられる予定。

ここから得られる収入は、道路やバスなどの地域設備の改善に充てられる。

延期されていた観光税の導入に踏み切るベネチア

イタリア北部の運河の街ベネチアは、数年前から日帰り客への観光税を検討してきたが、今年ようやく導入を発表した。宿泊客には既に観光税が導入されているため、今回の措置は日帰り客にのみ適用される。観光客は1日の混雑具合に応じて3ユーロ(約442円)~10ユーロ(約1473円)の観光税を徴収されることになる。

ベネチアは新型コロナウイルス流行前から過剰な観光客に悩まされていたが、同ウイルスの流行が落ち着いた今、既に持続不可能な数の観光客が戻ってきている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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