宇宙

2023.04.26 14:00

次の日食は10月14日、米国の一部で「金環食」

日食メガネをつけて太陽を見る人々(Getty Images)

日食メガネをつけて太陽を見る人々(Getty Images)

先週、オーストラリア、ティモール島およびインドネシアで起きた劇的な金環皆既日食のニュースを見たあなたは、重要な疑問を自身に投げかけているかもしれない。次に見られる日食はいつだろうか?

今月みなさんはおそらく、2024年4月8日月曜日にメキシコ、米国、カナダで起きる大規模な皆既日食のカウントダウン記事をたくさん読んだのではないだろうか。

しかし、それとは別に、先の日食からわずか177日後に米国南西部で起きる日食があり、それは2024年の大切な日に備えた天のウォーミングアップになるかもしれない。

コロラド高原のレッドロックをはじめとする美しいスポットを見に行くための言い訳が必要な人は、この「リング・オブ・ファイアー(金環食)」こそ絶好のチャンスだ。

2023年秋、米国に訪れる「グレート・ウェスタン・リング・オブ・ファイアー日食(偉大なる西部の金環食)」に関して知っておくべきことのすべてを以下のとおりだ。

「金環食」はどこで見られるか?

2023年10月14日土曜日、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、コロラド、ニューメキシコおよびテキサス各州を通過する、幅125マイル(約211km)の狭い地帯から、金環食が見られる。その後、月の影はメキシコのユカタン半島、ベリーズ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、コロンビアおよびブラジルを横切る。金環食が最も長く続くのは、ニカラグアとコスタリカの国境付近の海岸沖だ。

オレゴン州で午前9時13分PDT(太平洋夏時間)に始まり、ブラジル大西洋岸で日没前の午後4時43分BRT(ブラジル時間)に終わる。

「金環食」は裸眼で見てもOKか?

今回は、皆既日食ではない。月が太陽の前の中心に来たとき、90%しか太陽を隠さないため、残りの10%が月の黒いシルエットの周りに「リング・オブ・ファイアー(炎の輪)」となって現れる。安全に見るためには、必ず日食メガネを使うこと。

「金環食」はどうやって起きるのか?

金環食はやや小さい月(楕円軌道上で地球から最も遠いとき)が太陽の中心部分だけを隠すときに起きる。皆既日食のとき(太陽が月よりも400倍遠く、月が400倍近いとき)に限り、両社の見かけの大きさが完全に一致して太陽がすべて隠れて皆すでになる。

天気はどうなのか?

うれしいことに晴天が期待できそうだ。金環食が約5分間続くユタ、ニューメキシコ、テキサスの一部は特に有望だ。金環食は、3時間続く部分日食の中心的存在だ。

「金環食」はどこで見るのが一番か?

金環食は努力してまで見る価値があるのだろうか? 美しい部分日食とあまり変わらないし、昼間の空が暗くなることもないが、米国の20を超える国立公園や州立公園、アリゾナとユタの州境のモニュメント・バレーを横断することを知れば十分だろう。必要なのは晴れた空だけ、ただしそういう場所には概して多くの人が集まる。

2023年10月14日に「金環食の経路」の中に入る国立公園をいくつか紹介する(カッコ内は金環食が続く時間)。

・ユタ州、ブライスキャニオン国立公園(2分15秒)
・ユタ州、キャニオンランズ国立公園(2分24秒)
・ユタ州、キャピトルリーフ国立公園(4分24秒)
・ニューメキシコ州、チャコ文化国立歴史公園(4分42秒)
・オレゴン州、クレーターレーク国立公園(4分19秒)
・コロラド州、メサ・ヴェルデ国立公園(2分58秒)
・ユタ州、ナチュラル・ブリッジ国立モニュメント(4分28秒)

ほかに魅力的な場所としては、ユカタン半島エツナのマヤ遺跡で「リング・オブ・ファイアー」が4分31秒間輝き続ける。

「金環食」の前後に天体観測する方法日食は常に新月(月が地球と太陽の中間にある)に起きるので、1カ月の中で太陽の光に隠れて月のない空になるときだ。つまり、日食の前の週は天体観測に理想的なタイミングだ。

幸運なことに、日食経路に入っている20の国立公園は、天体観測に適していることが認定された星空保護区でもある。

片方は昼間に、もう一方は夜になるかもしれないが、日食の追っかけと天体観測は、常に密接に関連している。

forbes.com 原文

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