2023.05.04

世界初のエコノミー3段ベッド、ニュージーランド航空が来年導入

機内の3段ベッドの寝心地は?(Getty Images)

空の旅は体験し尽くしたなどとは言わせない。近々、長距離路線のフライト体験を向上させる新たな試みが始まる。ニュージーランド航空は2024年、世界の航空会社で初めて、エコノミークラスの乗客向けにカプセル型ベッドを導入する予定だ。大陸を横断する長距離のフライト中、比較的安い料金で、より快適に休めることになりそうだ。

ニュージーランド航空が来年から一部機材で提供を始める予定なのは、「スカイネスト」と呼ぶ3段式ベッドスペース。エコノミークラスやプレミアムエコノミークラスの乗客は、チケット代とは別に追加料金を払えば1回につき1ベッドを4時間借りることができる。

スカイネストは既存のワイドボディー機(双通路機)のほか、ニュージーランド航空が最近購入し、長距離・超長距離路線に就航する「787ドリームライナー」に設置される予定だ。

スカイネストのレイアウトは旅客列車の半個室寝台に似ている。共用スペースに3段重ねのベッドが2列置かれ、中段と上段のベッドには付属のはしごでを使って登る。

ベッドに入って遮光カーテンを閉めれば、内部はほぼ真っ暗になる。各ベッドにはモバイル機器用の充電ステーション、換気口、読書灯も備えつけられている。使用後は毎回、スタッフがシートの交換や室内の消毒をする。

スカイネストのレイアウトを最適なものにし、乗客が静かな空間で一眠りできるようにするために、ニュージーランド航空は設計にのべ17万時間以上費やしたという。提供開始が近づくなか、オークランドでメディア関係者らにプロトタイプが公開されている。

ニュージーランド航空はこのほか、新たなビジネスクラス「ビジネス・プレミア・ラックス」も来年から提供を始める予定だ。一部機材の前方に設置され、プライバシーをしっかり確保できるドアや、オットマン、より一般的なタイプのフルフラットシートを備える。

スカイネストはビジネスクラスのフルフラットシートや、エミレーツ航空がエアバス「A380」で提供しているファーストクラスの個室ほどのプライバシーは期待できないかもしれない。それでも、長時間のフライト中、4時間のあいだは窮屈なエコノミー席から解放され、くつろいで休むことができそうだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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