爆発的なAIと加速でインフレは急速にデフレに転じる

Getty Images

ChatGPTのバージョン4は、3月に米国のロースクール入学試験を受け、以前のバージョンでは下位10%のスコアだった成績が、最新版では受験者の上位10%に入った。AIの変革力を信じる人の中には、AIが世界の企業ソフトウェアの新しいプラットフォームになると語るMicrosoft(マイクロソフト)のサティア・ナデラCEOもいる。

質問:ChatGPTのような技術(およびグーグルやアマゾンなどの類似のAIアプリ)は、世界の高等教育を受けたホワイトカラーに対してどのような影響を及ぼすのだろうか?

答え:壊滅的だ。AIはプロフェッショナルサービスを襲う巨大デフレ爆弾となるだろう。これまで20人の企業広報担当者やパラリーガル、中堅プログラマーが携わっていた仕事は、ChatGPTのバージョン5、6、20、50などのアシストを使うことで、わずか3、4人で済むようになるだろう。

もちろん、歴史を見れば、離職した労働者は新しい(多くの場合はより良い)仕事を見つけることができていた。だが、すぐにではない。ジェネレーティブAIのスピードと規模には前例がなく、ホワイトカラーのすべての仕事に、すぐに、そしてどこにでも襲いかかることになる。これには、インドやフィリピンなどのアジアが含まれている。これらの地域では、ソフトウェアコーディングなどの低コストのアウトソーシングホワイトカラー作業を提供することを中心に、大規模な産業が構築されている。しかし、ChatGPTの最新の有料版は、月額わずか20ドル(約2680円)で、コールセンターなどのオフショアセンターで働く低コストの労働者よりもはるかに安い。しかも基本的なサービスを提供するアプリは無料なのだ。

つまり、インフレと金利上昇が新たな正常値に徐々に上昇していると考える人は、トレンドに関するスタインの法則を考慮できていない。トレンド転換の触媒となるのは、デフレ爆弾のAIだ。ここで予想を述べておこう。この先プロフェッショナルサービスのインフレが急速にデフレに転じ、ほとんどのインフレ圧力を引きずっていくため、金利は2023年後半に低下し始めるだろう。「新しい日常」への回帰はないだろう。この先何年もの、AIの加速と適応が続くだけだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事