この1年、ヨーロッパの才能ある選手たちが、驚くほど若くしてそれぞれのスポーツの頂点に立つという新しい波が押し寄せている。イギリスのレーシングドライバー、ジェイミー・チャドウィックは、2019年以来、すでに女性Wシリーズの3つのチャンピオンシップをすべて獲得し、24歳までに英国GT選手権とBRDC英国F3レースで優勝した最初の女性となりその波をリードしている。
12月にはAndretti Autosport(アンドレッティ・オートスポート)と契約し、男性中心のインディNXTチャンピオンシップに13年ぶりにフルタイムで参戦する女性レーシングドライバーとなった。当時、CEO兼会長のマイケル・アンドレッティは、チャドウィックはいずれNTTインディカーシリーズに参戦する才能があると語ったが、彼女はさらに高い目標を掲げている。1970年代以降、女性として初めてF1に参戦することだ。
「私自身にとって、究極の成功を収めたいんです。私はF1に出たい」と、彼女はForbesに語った。「私は、次世代の女性たちがこのスポーツに参加するようインスパイアしたいのです」
最年少は19歳のテニスプレーヤー
チャドウィックは、スポーツとゲームの世界で最高の若手アスリート、開発者、起業家に焦点を当てた2023年「Forbes 30 Under 30 ヨーロッパ:スポーツ・ゲーム部門」を率いている。今年は、一般向けのオンライン推薦フォームと業界関係者との調査から提出された数百の推薦の中から選ばれた。候補者は2023年3月7日時点で29歳以下でなければならず、過去にForbesの「30 under 30」に選ばれたことがないことが条件だった。
審査員は、フランスのゲーム開発会社Arkane Studios(アルケインスタジオ)のスタジオディレクター兼共同クリエイティブディレクターのディンガ・バカバ、ファンタジー・スポーツ・プラットフォームSorare(ソラレ)のCEOであるニコラ・ジュリア、プロサッカー選手協会のCEOであるマヘタ・モランゴ、女子サッカー・エージェンシーUnik Sports Management(ユニック・スポーツ・マネージメント)共同設立者のカルロタ・プラナスらだった。
最終的なリストは、12人のアスリート、9組の起業家(共同設立者は同じエントリーに一緒に含まれる)、4人のゲーム開発者、3人のスポーツビジネス専門家、2人のeスポーツアスリートで、業界の多様性を示している。その内、13人が女性で、13人が有色人種だった。
今年の最年少はカルロス・アルカラスで、19歳の彼は2022年、世界ランキング1位で1年を終えた史上最年少の男子テニスプレーヤーとなった。Rolex(ロレックス)、BMW、Nike(ナイキ)といったスポンサーから注目されるスターダムにのし上がった彼は、Forbesの推定によれば、昨年8月までの12カ月間で1090万ドル(約14億円)を稼いだ。これには、秋の全米オープンでメジャー初優勝を飾った際の賞金260万ドル(約3億5000万円)は含まれていない。