しかし最近、フロリダ州ハリウッドのディプロマット・ビーチ・リゾートで出会ったステーキ体験は、その上を行くものだった。ホテル内のステーキハウス「ディプロマット・プライム」では、兵庫県のブランド牛「神戸ワインビーフ」のA5ステーキが提供されている。驚くほど柔らかく脂がのった肉で、すべてのステーキには牛の鼻紋付きの証明書が添えられる。
興味をそそられた私は、エグゼクティブシェフのラシャード・アブドゥルに、これほど柔らかく芳醇なステーキをどのように提供しているか、そしてどのようにワインと合わせるのが理想的なのかを尋ねた。(以下の回答はいずれも、わかりやすさのために編集している)
──本店のメニューについて教えてください。肉のセレクトやワインとのペアリングなどに関して、他の多くのレストランと異なるアプローチをしているのでしょうか?
オーストラリア産の和牛や日本の神戸牛のほか、ドライエイジングのお肉も用意しています。ワインについては、かなり豊富な種類から選ぶことができます。
──なぜ、厳選された神戸牛に興味を持ったのでしょうか?
高級な牛肉を仕入れるときは、ユニークなもの、ほとんどの店で扱っていないものを探したいと思っています。これによりお客様は、この地域の他の場所では得られないような体験をすることができます。
──この神戸牛の部位を手に入れられるレストランは、全米で他にどれくらいあるのでしょうか?
この神戸牛の部位に関しては、全米のさまざまな業者が入手することができます。すべては、レストランがそれにお金を出したいかどうかにかかっています。ただ、南フロリダで提供しているのは、ごく少数の店のみです。
──この肉を食べるために来店する方もいるのでしょうか?
旅行や仕事で来られる方の中には、特にこれをお願いしますという方が何人もいますね。注文があったら、私は必ずテーブルに行って、その体験を尋ねるのですが、毎回必ず同じ答えが返ってきます。肉の質、味、食感に圧倒された、と。