サブスタック・ノーツのデザインはすっきりしており、いくつかの点でツイッターとよく似ている。ユーザーはテキストや画像などの短いコンテンツを投稿できるが、動画は投稿できない。ツイッターではヘイトスピーチが大きな問題となっているが、サブスタック・ノーツはまだ立ち上がったばかりでもあり、そのような投稿は一切目にしなかった。
ノーツは、サブスタックの単なる短縮版ではない。サブスタックは、ブログを書くと同時にメルマガをフォロワーに配信できるサービスだ。一方、ノーツに投稿したコンテンツはフォロワーに送信されない。
サブスタック・ノーツの「いいね」はツイッターと同じように機能し、リツイートは「リスタックス(restacks)」、引用ツイートは「リスタック・ウィズ・ア・ノート(restack with a note)」と呼ばれる。名称は違うが、機能はすべてツイッターと同じだ。
このことにマスクは頭を悩ましているのだろう。彼はノーツのリリースを知った直後にツイッターからのサブスタックへのリンクに厳しい制限をかけ始めた。マスクはさらに、ツイッターの内部文書「ツイッターファイル」の公開を巡り、彼と対立したジャーナリストのマット・タイービ(Matt Taibbi)のアカウントをシャドウバンしたが、タイービはサブスタック上で「Racket News」と呼ばれるニュースレターを発行している。
サブスタックのノーツはリリースされたばかりで、ツイッターの代替プラットフォームとして多くのユーザーを獲得するかどうかはまだわからない。しかし、マスクの奇行に広告主が不安にかられる中、ツイッターに似た短文投稿サービスが出現するのは理に適ったことと言える。
また、ツイッター自体にも、最近不祥事が発覚した。ユーザーが選定したメンバーのみにツイートを閲覧できるようにするサークル機能を使って投稿したヌード写真などの「秘密の投稿」が、誰でも閲覧できるようになっていたのだ。
ツイッターがオワコン化したという意見は多く聞かれるが、すぐに死ぬことはない。しかし、今後多くのツイッターユーザーがノーツに乗り換えるような事態になれば、ノーツは長期的にツイッターにとって強敵になるだろう。そうなる保証はないが、ノーツが久しぶりに登場した優れたソーシャルメディア・プラットフォームであることは間違いない。
その理由の1つは、ノーツがツイッターに酷似していながら、オーナーの奇行が経営の足かせになっていないことだ。
(forbes.com 原文)