「Yahoo!ニュース」では、2007年にコメント欄の提供を開始。以来、AIで「新たな考え方や見識を提供する」などの条件を満たす建設的なコメントをスコアリングして上位表示させたり(建設的コメント順位付けモデル)、コメント投稿時に電話番号の設定を必須化して悪質ユーザーの減少を図ったりと、コメント欄健全化のために様々な対策を講じてきた。
同社は今回、新AI導入の目的として、調査によって気付きや他の視点を得られるコメントが強く求められる傾向があると分かったものの、多種多様なコメントが投稿されていても似た内容のものが上位に並ぶ課題があり、その改善を図るためだと説明。
前述の建設的コメントを上位表示させるAIモデルに加え、今回の「コメント多様化モデル」を導入することで、建設的で多くが共感する意見だけでなく、ユーザーが異なる視点や多様な意見を知るきっかけの提供を目指す。
さらに、似たような考えや価値観を持つユーザーのコメントが多く並んだ結果、そのコメントが多数派でさも正く、一般的であるかのような印象をもたらす「エコーチェンバー現象」の軽減効果も期待しているという。
今回の「コメント多様化モデル」では、各コメントの意味・内容を把握し、内容の類似度によってコメントをグループに分類。各グループから代表的なコメントを抽出し、コメント欄の上位に表示させることで、ユーザーが多様な視点からのコメントに気付きやすくする。
「コメント多様化モデル」のイメージ
「コメント多様化モデル」を導入したコメント欄で表示されるメッセージ
「Yahoo!ニュース」では今後も、コメント欄で健全な言論空間を構築するために様々な取り組みを進めていく方針を示した。
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