ロボットスタートアップのドーナッツ ロボティクスは、高度なAI自動翻訳技術を持つメタリアルと協業し、同社の家庭用見守りロボット「シナモン」に、高齢者との会話にチューニングしたChatGPTを搭載して販売する計画を発表しました。
シナモンは自走式の家庭用の見守りロボットです。外出先からスマートフォンで遠隔操作ができ、家族やペットのモニターや健康チェックも行えます。高度な翻訳機能を備えているので、企業や施設での受け付け業務にも対応でき、「羽田空港ロボット プロジェクト 2017」にも採択されています。
ChatGPTはさまざまな質問に答えるAIチャットボットとして広く利用されていますが、シナモンでは、センサーが高齢者の接近を感知すると、積極的に語りかけて会話のきっかけを作るようにするとのことです。また、会話の内容も相手の感情を汲み取り、思いやりのある会話が成立できるようチューニングを施すとしています。
高齢者介護の現場では、相手の話を聞く「傾聴」の能力が大変に重要視されています。孤独になりがちな高齢者の話を聞き共感することが、本人のQOL(生活の質)の向上につながります。これまでのロボットには、受け答えはできても相手に「共感」して会話を深める能力に乏しく物足りなさがありましたが、どんな話題にも対応できるChatGPTを利用すれば、それも可能になるかもしれません。
ドーナッツ ロボティクスとメタリアルは、「高齢者との実験を経て、ロボット量産化を検討する」と話しています。
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