韓国長者番付、1.3兆円保有の「プライベートエクイティ富豪」が初の首位

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フォーブスがまとめた今年の「韓国で最も裕福な50人」ランキングでは、プライベートエクイティ(PE)ファンドのMBKパートナーズを創業した金秉奏(キム・ビョンジュ)が保有資産額97億ドル(約1兆3000億円)で初の首位に立った。

MBKパートナーズは260億ドル以上の資産を運用している。金の資産額は昨年から20億ドル増えており、増加率と増加額はいずれも他の富豪を上回り1位となった。

だがここ1年で資産を増やした富豪はごく少数で、番付に入った50人中35人が資産を減らした。輸出に頼る韓国は2022年、2.6%の経済成長を果たしたものの、ここ12カ月の株式市場の状況はアジアで最悪レベルとなっている。利上げの継続や、輸出全体の3分の1を占めるテクノロジー製品の需要停滞を受け、韓国総合株価指数(KOSPI)は9%低下した。

サムスン電子創業者の孫で、昨年10月に同社会長に就任した李在鎔(イ・ジェヨン)は、3年連続で2位の座を維持したが、メモリーチップやスマートフォンの需要減退により、資産額は昨年の92億ドルから80億ドルに減少した。

製薬大手セルトリオンの徐廷珍(ソ・ジョンジン)会長は、資産額が昨年の69億ドルから57億ドルに減ったものの3位に浮上した。徐は今年3月、2年ぶりにセルトリオン会長に復帰し、今後はM&A(合併・買収)に注力すると宣言した。

昨年1位だったインターネットサービス大手カカオ創業者の金範洙(キム・ボムス)は、資産額が1年でほぼ半減して50億ドルとなり、今年の番付では5位に転落。カカオ株はここ1年で、同社の独占的地位に対する批判を受けて下落していた。

キム・ジョンミンとキム・ジョンユン姉妹は、初登場かつ最年少で8位に入った。姉妹は2022年2月、オンラインゲーム会社ネクソンの創業者だった父の金正宙(キム・ジョンジュ)が54歳で死去したことを受け、同社の株式を相続。保有資産は36億ドルに上る。

以下は、今年の韓国長者番付の上位10位に入った面々と、その保有資産額。資産額は、4月7日時点の株価や為替レートに基づいている。番付の全リストは、フォーブス英語版サイトで公開されている。

1位 金秉奏/97億ドル

2位 李在鎔/80億ドル

3位 徐廷珍/57億ドル


4位 權赫彬(クォン・ヒョクビン)/51億ドル


5位 金範洙/50億ドル


6位 洪羅喜(ホン・ラヒ)/49億ドル


7位 鄭夢九(チョン・モング)/41億ドル


8位 キム・ジョンミンとキム・ジョンユン姉妹/36億ドル


9位 趙正鎬(チョ・ジョンホ)/34億ドル


10位 李富真(イ・ブジン)/33億ドル


forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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