ビジネス

2023.04.21 19:00

西條 晋一×手嶋 浩己 長期的な成長を遂げる骨太な企業を生み出したい

ビジネスと社会的価値、関わった人たちすべてが認める実績を追求する「オトナVC」として変貌を遂げつつあるXTech Venturesが、その拠点としてオフィスを構えたのは東京・八重洲エリアだ。ふたりは長らく渋谷や青山で精力的に活動してきたが、仕事だけでなく日常生活や精神的な充足感など総合的な条件から八重洲を選んだという。
advertisement

「東京駅周辺は日本国内どこでも出張に行きやすい。羽田や成田までアクセスも良く海外出張にも便利だ。道路が広く、街並みもきれいで精神的にもリラックスできる。歴史的には五街道の始点でありここから世界が広がっていた。スタートラインというコンセプトは古くて新しい。VCの拠点としてはしっくりくる」(西條)

YNKエリアには大手企業の本社や数多く点在しており、日本のスタートアップエコシステムと交差する場所になりうるとふたりは考えている。「八重洲オフィスに相談を持ち掛けてくる大企業の担当者も増えている」(手嶋)。大企業はイノベーションの必要性を強く感じているものの、組織体制が硬直していて新しいをことを受容・実行するまで時間がかかる。その一線をどう打開するか。XTech Venturesに知恵とノウハウを求めている。

「IT業界には製造業出身の人材がほとんどいない。それだけにハードウェアやディープテックと呼ばれる分野においては、製造業を組織的に経験してきた大企業
出身者が起業したほうが成功確率は高まるだろう。産業構造が急激に変化するなかでリスキリングや人材のシフトも日本社会の課題。これまでにない分野で起業が盛んになれば新しい雇用の受け皿にもなる。八重洲にオフィスを構えたのも何かの縁。ふたりとも大企業出身なので気持ちもわかる。自分たちの力を養いながら、スタートアップと大企業の新たな可能性発掘に野心的に取り組んでいきたい」(西條)
advertisement


西條 晋一◎1996年に伊藤忠商事に入社し財務部・為替部を経験。2000年にサイバーエージェントに入社後、04年に取締役就任。06年から現サイバーエージェント・キャビタルの初代社長として活躍。各社要職を軽て18年にXTech Venturesを創業。

手嶋 浩己◎1999年に博報堂に入社しマーケティングプランニング業務などに従事。2006年に現ユナイテッドに入社し取締役就任。多数の新規事業立ち上げや、ペンチャー投資、M&Aに貢献。13年~18年にメルカリ社外取締役。18年より現職に就く。

text by Ha Hungi / photographs by toru Hiraiwa / edit by Masako Kihara

連載

ようこそ、世界に誇る縁(えにし)エコシステムへ

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事