国内

2023.04.28

テレビ朝日が考える「リアルとデジタルが融合するスマートシティのメタバース」

テレビ朝日は、リアルとデジタルの融合により生まれるエンターテインメントにも力を入れている

「メタバースの中で被写体をリアルに再現する、米Arcturus(アークトラス)による独自のボリュメトリックビデオのソフトウェア技術に注目しました。メタバース空間の中で、リアリスティックなデジタル映像とも親和性の高いアークトラスの技術はおもしろいと思います。コンテンツを速く、より安価に制作できるソリューションであるところも良いと思います。当社が今後、放送に限らずメタバースを含めたさまざまなメタバースに関連するエンターテインメントを発信する際にコラボレーションをしてみたいですね」(荒井氏)

ほかにも頭部に装着して「考えるだけ」でPCなどさまざまなデジタルデバイスが操作できるブレインマシンインターフェイスを開発する英Mindportal(マインドポータル)や、メタバースに自身の姿をリアルに捉えた3Dホログラムを投影して、ビデオ会議よりも自然なコミュニケーションを実現するホログラフィック会議プラットフォームを開発する米Forma Vision(フォーマビジョン)などのパートナーが荒井氏の目にとまったそうだ。

テレビ朝日のメディアシティ戦略

テレビ朝日は今年の3月に、2023年から始まる3カ年の経営計画を発表した。同社が柱に据える事業の1つであるメディアシティ戦略の中には「東京ドリームパーク」を拠点とした新しい活動が含まれている。

東京ドリームパークは東京の有明地区に、2026年春の開業を目指す大型施設だ。オフィスと集客娯楽施設、多目的ホールなどが創られる予定だ。テレビ朝日が現在六本木に構えるEXシアター六本木と、東京ドリームパークに建設するエンターテインメント向けのスペースを合わせた集客キャパシティは1日あたり最大8200人を見込む。リアルとデジタルが融合するさまざまなイベントの発信基地としても注目されるはずだ。
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編集=安井克至

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